
公務員試験に合格したものの、過去の性犯罪歴が発覚して任用を取り消された韓国の男性が処分の取り消しを求めて訴訟を起こした。だが、裁判所は「公職の品位を損なうに十分」として請求を棄却した。
法曹関係者が6日明らかにしたところでは、ソウル行政法院は、男性が外相を相手に起こした資格喪失・未任用処分取り消し訴訟で原告敗訴の判決を下した。
男性は2023年8月、外務省9級公務員の試験に合格し、採用候補者として登録された。しかし、同年11月、過去の性犯罪歴が明らかになり、候補者資格を失って任用されなかった。
判決によると、男性は2016年に児童・青少年の性保護に関する法律違反(強制わいせつ未遂)で懲役1年・執行猶予2年の有罪が確定。2022年には、性暴力犯罪の処罰等に関する特例法違反(通信媒体を利用したわいせつ行為)で罰金70万ウォン(約7万円)の判決を受けていた。
外務省は「未成年対象の性犯罪の重大性」と「類似犯罪が最近まで続いている点」を根拠に「公務員として職務遂行が困難」と判断した。
男性は「はるか以前の犯罪で候補者資格を失うのは不当」として訴訟を起こした。
裁判所は「複数の性犯罪歴のある原告が、対人業務を含む職務を遂行するのは困難と判断する余地は十分あり、任用権者の裁量を逸脱・乱用したとは言えない」と結論付けた。
一方で、国家公務員法第39条が定める「候補者として品位を大きく損なう行為」は候補者登録後の行為に限るという男性の主張については「一定の妥当性がある」とした。
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