韓国で空気抵抗のないほぼ真空のチューブ内で磁気の力で浮いた列車が時速1200キロで運行する「ハイパーチューブ」(韓国型ハイパーループ)の青写真が見えてきた。韓国政府がこのほど、ハイパーチューブ開発や運営ロードマップ樹立のための研究について公告した。
ハイパーループの開発競争は世界的に激しくなっており、米国は2017年の無人試験で時速387キロを達成し、2020年には時速172キロの有人試験にも成功した。欧州連合(EU)も長さ2.5キロの試験線建設に取り組んでいる。日本はハイパーループとは異なるものの東京―名古屋間に2027年開通を目標とした時速500キロ級のリニアモーターカー路線を建設している。
韓国鉄道技術研究院も2020年に、ハイパーループを17分の1に縮小した模型試験を通じて時速1019キロ走行に成功している。国土交通省としては核心技術を他に先んじて確保し、関連市場を先取りしたい考えだ。
研究の骨子は▽国土交通の現状や問題点の診断▽ハイパーチューブ関連の国内外政策や開発動向分析▽ハイパーチューブの役割や効果の分析▽推進戦略や履行課題の提示――など。
科学技術情報通信省総括委員会も1月、ハイパーチューブ技術開発事業を「第4次国家研究開発事業予備妥当性調査対象」に選定し「総合分析を通じて事業のマスタープランの準備を並行して進める必要がある」という意見を提示した。
今年下半期ごろに予備妥当性調査に通過すれば、国土交通省は2025年に全羅北道(チョルラプクド)での区間試験などを経て、12キロの本試験線路を建設する1兆ウォン(1ウォン=約0.1円)規模の事業を進める計画だ。
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