2025 年 4月 18日 (金)
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韓国地図、AIとともに進化…ネイバー・カカオ・Tmap、独自機能でグーグル対抗

カカオマップが提供する「超精密バス位置情報サービス」=カカオマップ提供(c)news1

世界の地図サービス市場をほぼ独占してきた米グーグルが、韓国の裏路地にまで手を伸ばすなか、韓国内では地場企業が高い存在感を保ち、地図市場をリードしている。韓国企業は地域特性と生活密着型の機能を武器に、グーグルの進出に正面から立ち向かっている。

グーグルは今年2月、韓国政府に対し、1:5000縮尺の高精度地図データの国外搬出許可を求める申請書を提出した。これは、過去2007年、2016年に続いて3回目の要請となる。しかし、韓国政府は国家安全保障上の理由から、これまで同様、地図データの海外搬出を禁じている。

グーグルは「高精度地図データがなければ、韓国内で十分なサービス提供ができない」と主張している。実際、グーグルマップの韓国版では公共交通のルート検索は可能だが、徒歩や自動車のナビゲーション機能は提供されていない。

とはいえ、韓国の地図サービス市場は例外的な構造を持ち、トップ3はいずれも国産企業が占めている。アプリ分析会社「モバイルインデックス」によると、2025年2月の月間アクティブユーザー数(MAU)では▽「ネイバー地図」が2650万人でシェア70%▽「Tmap(ティーマップ)」1436万人(37.6%)▽「カカオマップ」1057万人(27.6%)▽「グーグルマップ」884万人(23.1%)だった。

地元企業が強さを発揮している背景には、韓国特有の生活環境や地域ニーズに特化した機能開発がある。

たとえばネイバー地図では、韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領(当時)の罷免裁判が続けられた憲法裁判所前の交差点に交通統制情報がリアルタイムで表示された。これは検索をしなくてもアプリ起動だけで確認でき、利便性が高い。山火事発生時も、通行止め区間や予想終了時刻、避難方法などが視覚的に案内された。

カカオマップでは、特にバスの本数が少ない地方を対象に、国内初の「超精密バス位置情報サービス」を提供。GNSS(全球衛星測位システム)を活用し、10cm単位の精度で1秒ごとにバスの位置と速度を更新して表示する。

また、複雑な構造を持つノリャンジン水産市場の屋内地図も実装されており、店舗の位置や営業時間、トイレ・エレベーターの位置まで確認できる。

Tmapは「どこ行こう」タブで、現位置から半径5~30km以内のポップアップストア情報をリアルタイムで案内している。位置や開催期間だけでなく、現在その場所に向かっている車の台数まで表示される。

ある業界関係者は「韓国企業は地域ごとの特性を細かく把握し、リアルタイムで地図機能を更新することで、国内ユーザーの支持を保っている」と語っている。

(c)news1

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