
韓国国家情報院は7月30日、北朝鮮のキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党副部長が最近発表した対南・対米談話について「これまでよりも北朝鮮に有利な戦略的環境が整ってきたという自信の表れだ」と分析した。同日、韓国国会情報委員会で開かれた非公開の国情院ブリーフィングで明らかにされた。
国会情報委野党幹事のイ・ソングォン議員=国民の力=によると、国情院は北朝鮮が自らの核能力を強化し、さらにロシアからの支援を得ており、加えてロシアへの兵力支援(派兵)を通じて、過去よりもはるかに有利な立場にあるという認識から談話が出されたと説明した。
北朝鮮はこれまで、ロシアのウクライナ侵攻を支援するために軍人を派遣しており、現在も追加派兵の可能性が報じられている。両国は軍事・外交両面で親密な関係を深めている状況だ。
こうした中、キム・ヨジョン氏は7月28日、朝鮮中央通信を通じて、韓国のイ・ジェミョン(李在明)政権に対し、初の談話を発表した。談話では、韓国政府による対北融和政策について「ある程度誠意ある努力」と評価しつつも、南北関係は2023年末に北朝鮮が宣言したとおり「敵対的な二国家関係」であることを繰り返し強調した。
翌29日にはアメリカを念頭に置いた談話も発表し、「キム・ジョンウン(金正恩)総書記とトランプ米大統領との個人的な関係が悪くないという事実を否定したくはない」と述べつつ、「朝鮮人民の総意により最高法で確定した我が国の核保有国としての地位を否定するいかなる試みにも、断固として対抗する」と主張した。
イ・ソングォン議員はこれら一連の談話について「北朝鮮は自らの核保有を国際的に認めさせることを前提にしか対話には応じないという、従来の立場を維持している」と語り、当面の南北・米朝対話の進展は困難であるとの見方を示した。
(c)news1