アモーレパシフィックグループ、LG生活健康、愛敬(エギョン)産業の韓国大手化粧品3社が、今年第3四半期に対照的な業績を発表した。中国市場への依存を減らし、北米や欧州を中心とするグローバル多角化戦略が徐々に効果を示している。
アモーレパシフィックグループは、第3四半期の売上高が1兆681億ウォン(約1183億円)、営業利益750億ウォン(約83億円)を記録し、前年同期比でそれぞれ11%、160%の増加を達成。北米とヨーロッパ、中東(EMEA)市場に重点を置き、これらの地域での売り上げが顕著に伸びた。特に、米国市場での売上が108%増加し、EMEAでは339%増加したことが好調を後押しした。主力ブランドの「雪花秀」「ラネージュ」などが顧客層を拡大し、成長を支えた。
一方で、愛敬産業は中国市場の低迷により業績が不振。第3四半期の売上高は前年同期比5.0%減の1653億ウォン(約183億円)、営業利益は48.0%減の96億ウォン(約10億6000万円)にとどまった。国内市場での新成長チャンネル拡大などにより売り上げは増加したが、中国での需要減少とマーケティング投資の負担が響き、全体的な収益を圧迫した。
LG生活健康も第3四半期の売上高が1兆7136億ウォン(約1898億円)、営業利益は1061億ウォン(約117億円)で前年同期比それぞれ1.9%、17.4%減少。国内市場は減少したものの、海外売り上げは3.5%増加し、特に中国市場での売り上げ12.1%増と健闘した。
今後、3社はグローバル多角化による成長を図る。アモーレパシフィックグループは北米、英国、日本、インドなどを主要市場として育成し、「グローバルリバランシング」を強化する。また、LG生活健康は北米や東南アジア市場の拡大に力を注ぎ、現地市場に適した製品開発と顧客価値の向上を目指すと述べた。愛敬産業も国内外のマーケティング活動を強化し、中国以外の市場での競争力を高めていく構えだ。
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