2024 年 11月 25日 (月)
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韓国前大統領娘の飲酒運転事故、改めて問われる「公人」とは [韓国記者コラム]

ムン・ジェイン氏とムン・ダヘ氏(c)news1

「前大統領の娘は公人なのか」

韓国のムン・ジェイン(文在寅)前大統領の娘、ムン・ダヘ氏の飲酒運転に関するニュースは、ムン・ダヘ氏が公人として扱われるべきかという議論を引き起こしている。オンラインコミュニティでは「前大統領の娘は公人とみなされるのか」という点について議論が活発化している。ムン・ダヘ氏は酩酊状態で車を運転し、ソウル市龍山区でタクシーと接触事故を起こした。

ムン前大統領の一部支持者からは「ムン・ダヘ氏は公人ではない。なぜそのように非難するのか」という擁護の声が上がっている。確かに「公人」とは「公的な仕事に従事する人」を指す。ムン・ダヘ氏はそのような職に就いているわけではないという。

しかし、これはあくまで辞書的な意味に過ぎない。国立国語院は「公的な仕事の範囲をどこまでとするかによって、『公人』に対する判断に違いが出る可能性がある」という解釈を示したことがある。つまり、誰かを「公人」と定義する時には、法的な概念だけでなく、社会的な影響力も考慮する必要があるということだ。

何よりも、1つ明確な事実がある。ムン・ダヘ氏が公人でないとしても、公人に準じる社会的な認知度と影響力を持っている人物であるという点だ。

ムン・ダヘ氏のこの不祥事が明るみに出た後、世論はムン前大統領を引き合いに出し、さらに前政権時に与党だった「共に民主党」も批判している。ムン前大統領は在任中の2018年10月10日、「飲酒運転事故は過失ではなく、殺人行為であり、他人の人生を完全に崩壊させる行為だ」と強く非難した。この発言の映像がオンラインで拡散している。ムン前大統領が娘の飲酒運転についてどう考えているのか、という批判的なコメントが次々と寄せられている。

先進国でも、大統領の子どもの不祥事は社会的な論争に発展する。バイデン米大統領にも「痛い存在」である息子がいる。次男ハンター氏は、兄の妻との交際という前代未聞の行為をしただけでなく、脱税や違法な銃購入の疑いまでかけられ、バイデン家の「厄介者」(black sheep)と化している。子どもを独立した存在と認識する米国でも、模範的な行動や社会的な素養が大統領の子どもに求められているのだ。

ムン・ダヘ氏の場合、事故のタイミングも、罪質も悪かった。ムン・ダヘ氏の元夫は、タイの格安航空会社(LCC)「タイ・イースター・ジェット航空」に特別採用されたという疑惑での検察の出頭を控えていた。検察は韓国「イースター航空」創業者で「共に民主党」の議員だったイ・サンジク氏が中小ベンチャー企業振興公団理事長に任命された見返りに、自身が実質的なオーナーを務める同航空の役員として元夫(=前大統領の元娘婿)特別採用し、ムン・ダヘ氏一家のタイ移住を支援したという疑惑だ。

こうした事態がどれほど驚くべきことか。

さらに、現場の警察官でさえ、ムン・ダヘ氏の飲酒運転を信じられなかった。

梨泰院駅近くで勤務しているある警察官は5日夜、news1の取材に対し「同姓同名の人物が飲酒運転をしたのだろう。前大統領の娘がそんなことをするはずがない」と語った。メディアが関連報道をリアルタイムで報じているにもかかわらず、事件管轄の地域警察官ですら、ムン・ダヘ氏の関与が信じられなかったのだ。

大統領経験者の子どもとして、口に出せない苦しみ・辛さがあったことだろう。しかし、ムン・ダヘ氏は父の任期中にそれ相応の配慮と関心、愛情も受けてきたはずだ。元夫の特恵疑惑が真実であろうとなかろうと、そうした疑惑が浮上したこと自体がその証しだ。したがって、ムン・ダヘ氏には避けられない運命を受け入れるべきだった。それは、公人のように振る舞い、責任感のある言動をとるべきだったということだ。【news1 キム・ミンス記者】

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