韓国大統領選挙が終了し、ユン・ソンニョル（尹錫悦）前大統領の妻キム・ゴニ（金建希）氏に対する検察の捜査が本格化している。これまで書面調査や“第3の場所”での事情聴取のみで応じてきたが、検察庁のフォトラインに立つ可能性も出てきた。
検察は現在、キム・ゴニ氏に関わる▽ドイツモーターズ株価操作疑惑▽政治ブローカー、ミョン・テギュン氏の公認介入疑惑▽「乾真法師」との贈収賄・斡旋疑惑――の3つの疑惑を捜査している。
キム・ゴニ氏の株価操作関与疑惑を最初に捜査したソウル中央地検は、昨年10月に資本市場法違反容疑で不起訴処分を下した。しかし今年4月、ソウル高検が再捜査を決定し、キム・ゴニ氏の携帯電話を押収。キム・ゴニ氏の口座を管理していたブラックパール・インベストメントの幹部、そしてすでに有罪が確定した株価操作の共犯者らを相次いで取り調べた。
特に検察は、いわゆる「7秒売却」疑惑を重要視している。これは2010年11月、主犯格が「12時に3300ウォンで8万株を売って」と指示すると、幹部が「準備します」と返信し、わずか7秒後にキム・ゴニ氏名義の口座から3300ウォンで8万株の売却注文が出されたというもの。この株は幹部の口座で再び買い戻され、裁判所はこれを“通謀売買”と認定した。
今後、検察はドイツモーターズのクォン・オス前会長、ブラックパール社のイ・ジョンホ前代表らも召喚予定で、キム・ゴニ氏の召喚も避けられないとみられている。
一方、ソウル中央地検の“ミョン・テギュン疑惑専担チーム”は、キム・ゴニ氏がミョン・テギュン氏から世論調査を無償で受け、その見返りとして2022年6月の国会補欠選挙にミョン氏を公認させるよう影響を及ぼしたとする疑惑を調査している。
また、2022年の地方選挙で浦項市長・平沢市長選の公認に関与したとされるほか、昨年の総選挙では元検事のキム・サンミン氏を昌原・義昌に出馬させるよう働きかけたという疑惑も浮上している。検察は最近、キム・ゴニ氏と関係の深いコバナコンテンツ出身の元秘書2人の携帯電話を押収・解析中だ。
シャーマン「乾真法師」ことチョン・ソンベ氏に関する贈収賄疑惑も捜査対象だ。ソウル南部地検の仮想資産犯罪合同捜査部は、世界平和統一家庭連合（旧統一教会）前世界本部長のユン・ヨンホ氏が2022年4月と7月、シャネルのバッグ2点をキム・ゴニ氏への“贈り物”としてチョン氏に渡したとする証拠を押さえたとされる。
このバッグは、大統領室行政官のユ・ギョンオク氏を介し、製品の交換後にキム・ゴニ氏側に渡ったとみられている。また、2度目の交換時にはキム・ゴニ氏と親しい関係にあるインテリア企業「21グラム」の代表の妻が同行したとの情報もある。
検察は、ユン氏がチョン氏を通じてシャネルバッグや高級ダイヤモンドをキム・ゴニ氏に渡し、統一教会関連の便宜を求めた疑いについても捜査を拡大中だ。
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