
韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)前大統領の妻キム・ゴニ(金建希)氏が、過去に景福宮(キョンボックン)の国宝「勤政殿(クンジョンジョン)」にある王の玉座に着座していたことが明らかになり、論議を呼んでいる。さらに、通常は立ち入り禁止である明成皇后の寝室「坤寧閤(コンニョンハプ)」にも入室していたことが新たに判明した。
この事実は、ジャーナリストのチュ・ジヌ氏が10月22日、YouTube番組内で、キム・ゴニ氏と当時の国家教育委員長、イ・ベヨン氏が並んで立つ写真を公開したことで発覚した。撮影場所は勤政殿前の興礼門で、キム・ゴニ氏はディオールのデニムジャケット(約380万ウォン=約42万円)にサングラス姿で登場、イ・ベヨン氏の手を握る姿が確認できる。
国会文化体育観光委員会によると、キム・ゴニ氏は2023年9月12日午後1時35分に景福宮へ「VIP」として入場し、約2時間にわたり内部を見学。通常は休宮日である火曜日に、一般観覧者のいない中での特別入場だった。
問題となっている玉座は、歴代大統領であっても着座を遠慮する象徴的な場所であり、キム・ゴニ氏が私的訪問の中でこれに座ったことに批判が集まっている。同行した政府関係者によると、当時、イ・ベヨン氏の提案でキム・ゴニ氏が着座したとされる。
また、同年3月5日には、ユン・ソンニョル氏と共に景福宮を訪れ、一般の出入りが制限されている「坤寧閤」に無断で立ち入っていたことも、国会の調査により判明した。坤寧閤は明成皇后が1895年、暗殺された歴史的場所でもある。
さらに、キム・ゴニ氏は国家遺産庁の資料によると、合計11回、王宮や宗廟を訪問していた。
政界では「皇室の象徴とも言える空間に対する理解と敬意の欠如」として、ユン前政権下での公私混同や、文化財管理の透明性を問う声が高まっている。
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