
1月29日、韓国京畿道華城市にある華城職業訓練刑務所の庁舎入口には「携帯電話持ち込み禁止」と書かれた統制区域の表示が貼られていた。保安検査を通過し、鉄扉を一つ開けて中に入ると、護送バスが受刑者を乗降する広い空間が目に入った。学校の運動場ほどの広さの奥に、2階建ての生活棟が建っていた。外壁には「人権が尊重される矯正行政」という文言が掲げられていた。
生活棟の内部は、長い廊下が複雑に分岐して迷路のようだった。暖房がなく、氷点下の外気がそのまま感じられた。移動中にすれ違った受刑者たちは、一列に並び静かに歩いていた。受刑者が寝起きする混居室(雑居房)のある区域も、意外なほど静かだった。ときおりテレビの音が聞こえるだけで、映画に出てくるような怒号や罵声は聞こえなかった。
職業訓練が施される場所は、一般の学校の教室と変わらない。決められた時間に入室した受刑者たちは、椅子に座り、机の上に筆記用具と教科書を置いて講義を受けていた。囚人服を着た人々がうつむいて勉強する姿は、まさに授業そのものだった。白衣と帽子を身につけ、パンを焼く製パン職人のような受刑者もいた。
受刑者たちが学んでいるのは、出所後すぐに使える技術だ。職業訓練は全26課程に及び、6カ月課程には製菓、バリスタ、製パン、タイル施工などがあり、1年課程には自動車塗装、ウェブトゥーン、スマートホーム管理士など、2年課程には溶接、自動車整備、消防設備などがある。現在、659人の受刑者が訓練に参加している。

中でも目を引いたのは、タイル技能士の課程だった。受刑者たちは真剣な表情で手を止めることなく、タイルを貼る作業に集中していた。年齢層も20代から60代までさまざまだ。
刑務所関係者はこう説明する。
「出所後すぐに“食べていける技術”で、タイル職人の日当は25万~35万ウォンと高いため、競争率が高い。実習スペースは約100坪あり、全国でも最高水準の環境でタイル技術を学べる」
受刑者の中には、技能競技大会のタイル部門で全国銅賞や地方大会の銀賞・銅賞を受賞した人もいるという。
ここでは技術教育だけでなく、心理治療やカウンセリングも実施されている。6人で構成された心理治療専門チームが、性犯罪、麻薬、家庭内暴力など、さまざまな受刑者を対象に特化した治療プログラムを運営している。この日は性犯罪受刑者約10人を対象に治療が進められていた。矯正本部は、性犯罪や麻薬のように依存性や再犯性の高い犯罪では、教育と治療が再犯リスクを下げる鍵だとみている。

集中している受刑者の表情とは対照的に、職員たちの顔は明るくなかった。疲労の色が濃かった。最近、過密収容が深刻化する中で事件・事故も増えており、発生時に真っ先に対応する矯正機動巡察チーム(CRPT)に負担が集中している。受刑者同士の喧嘩を止める過程で、目を突かれたり、噛みつかれたり、引っかかれたりすることは日常茶飯事だという。特に精神疾患を抱える受刑者が突発的に暴力性を示した場合、なすすべなく被害を受けることも多い。
矯正統計年報によると、2015~2024年の過去10年間で、受刑者による矯正公務員への告訴・告発は7586件、被告となった人数は1万5834人に上る。事件の99%は却下または嫌疑なしとなり、起訴猶予や起訴に至ったケースは全体の0.1%にすぎない。
刑務所の情報チーム関係者によれば、懲罰処分に反発し、その取り消しを求める行政訴訟が急増しているという。受刑者による行政審判の請求件数も、2024年は1191件と、前年比95.2%の急増となった。ただし、裁判所で認められた事例は、過去10年間に累積した5411件のうち13件(0.3%)にとどまっている。
多くは職員を困らせることを目的とした訴訟だというのが、現場の共通した見方だ。ある刑務官は「告訴・告発を一度も受けたことのない刑務官は、刑務官ではない」と語った。
人権をめぐる認識の違いも、職員の大きな悩みとして挙げられている。別の刑務官は「国家人権委員会は『マンデラ・ルール』など国際基準を中心に判断するが、刑務官は安全と秩序が崩れる瞬間を毎日目の当たりにする現場基準で判断せざるを得ない。その隔たりが大きくなっている」と胸の内を明かした。
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