韓国兵務庁のイ・ギシク(李基植)庁長が昨年末、news1のインタビューに応じた。人気グループ「防弾少年団(BTS)」の兵役論議で2022年、その発言が注目を集めた人物だ。イ・ギシク氏は、BTSの中で「軍に行かない」と言ったメンバーはいなかったと指摘したうえで、メンバーが周囲に振り回された、と振り返った。
◇「『軍に行かない』と言ったメンバーはいない」
兵務庁長とは、韓国青年の徴集・召集などの兵務事務を管掌する次官級の職責だ。イ・ギシク氏は、昨年5月のユン・ソンニョル(尹錫悦)政権発足とともに兵務庁長に抜擢された。
イ・ギシク氏は、約40年間、軍生活を送った予備役海軍中将(海事35期)。海軍将官出身の人物が兵務庁長を務めたのは、イ・ギシク氏が初めてだ。
インタビューでイ・ギシク氏はこう切り出した。
「現役兵として入営し、多くの兵役義務者に模範を示したBTSのジンの兵役履行を応援します。服務期間中、常に健康であることを祈り、BTSのすべてのメンバーに大きな拍手を送ります」
BTSのJINは先月13日、京畿道漣川(ヨンチョン)所在の陸軍第5師団の新兵教育隊に入営した。ここで5週間、基礎軍事訓練を受けた後、配置される。除隊日の2024年6月12日まで、兵役義務を履行する。
このJIN入隊を前に、政界では「BTS活動に伴う国威発揚と経済的効果」などを理由に兵役特例恩恵を与えるべきだという主張が提起され、しばらく騒動になった。
「BTSメンバーの中で誰ひとりとして“軍に行かない”と言った人はいない。彼らは歌の中でも『軍に行く』と言っている。ところが外部では『軍に送るべきだ』『送ってはならない』という意見が出て、BTSに矛先が向けられるところだった」
BTSメンバーが軍に行き、戻ってきて再びBTSが「完全体」になった時、より大きな人気と支持を受けるだろう――イ・ギシク氏はこう見通す。そのうえで、JINの入隊について「ありがたく思う」と語った。
(c)news1