![](https://koreawave.jp/wp-content/uploads/2025/02/韓国企業「新卒よりも実務経験」…若者の生涯所得、1100万円減-1024x627.jpg)
韓国で新卒よりも実務経験のある人材を優先的に採用する傾向が強まり、社会に出たばかりの若者が生涯で得られる所得が約1億ウォン(約1100万円)減少するとの分析結果を韓国銀行が発表した。
報告書「経歴採用の増加と青年雇用」によると、20代と30代の正規雇用率の差(17ポイント)のうち約40%は企業が即戦力を求めて経験者採用を拡大していることに起因するという。
実際、韓国経営者総協会と韓国雇用情報院の調査では、企業の採用に占める経験者の割合は2009年の17.3%から2021年には37.6%へと大幅に増加している。
これにより新卒の就職機会が減少し、特に未経験者が多い20代の雇用環境が悪化。経験者採用の拡大に伴い20代の正規雇用率は10ポイント低下し、30代の3倍の落ち込みを記録した。その結果、新卒者の生涯就業期間は21.7年から19.7年に2年間短縮され、生涯所得の現在価値も13.4%にあたる約5000万ウォン(約550万円)減少した。
さらに未経験者の就職活動が30%低下すると仮定した場合、20代の雇用率はさらに5.4ポイント低下し、30代との格差が拡大。生涯就業期間は21.7年から18.1年に短縮され、生涯所得の現在価値は約1億ウォン減少するとの試算が示された。
韓国銀行の研究者は「経験者採用の拡大は企業の経営環境の変化による必然的な流れだが、新卒にとっては不利な要因だ。産学連携やインターン制度を通じて、新卒採用時の教育・訓練コストを低減すべきだ」と指摘している。
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