韓国最大の旅行先とされる済州島への旅行者が減少している。新型コロナウイルス流行時に観光客が集中した結果、物価が高騰し、海外旅行がより効率的な選択肢とみなされる傾向が強まっているためだ。
国土交通省航空ポータルによると、先月の金浦―済州路線の旅行者数は59万5227人で、前年同期比6.1%減少した。今年1~11月の累計旅行者数も697万5147人で、4.48%の減少を記録している。
金浦―済州路線の月間旅行者数が60万人を下回ったのは、2014年11月(56万7314人)以来10年ぶり。この路線は「世界で最も忙しい国内線路線」とされ、今年も1420万人が利用したが、ここ最近は旅行者数が減少傾向にある。
特に、冬季にも関わらず活発な海外旅行需要が影響している。今年10~11月の海外旅行者数は1518万7813人で、過去最高を記録。これは、2019年第4四半期の1431万5670人を6.1%上回る数値であり、伝統的な航空業界の繁忙期である7~8月(1563万8977人)と比較しても大差がない。
さらに、物価高の長期化により、日本や東南アジアなどの短距離海外旅行の費用が済州島旅行と同等かそれ以下であるとの認識が広まり、済州島旅行を敬遠する旅行者が増えている。先月、日本を訪れた旅行者は222万9162人で、前年同期比17.9%増加。済州島旅行者数(104万2822人)の2倍以上の人数となった。同じ時期に中国を訪れた旅行者(106万5281人)も済州島を上回った。
このような状況を受け、航空会社は済州島路線をマイレージ利用の対象として活用している。大韓航空は28日、30日、翌年1月1日の計3回、「マイレージ特別便」を運航予定している。アシアナ航空も今月2日から15日まで計56便でマイレージ座席を提供し、来年も9000席を供給する。
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