
韓国人に人気の海外リゾート地であるグアムとサイパンの直行便に相次いで運休・減便が発生し、旅行者の混乱が広がっている。予約済みの航空便が一方的に取り消され、現地のホテルや韓国国内の旅行会社では予約変更や返金対応に追われる事態となっている。
2025年後半に入り、仁川とグアム・サイパンを結ぶ韓国の格安航空会社(LCC)済州航空の直行便に運航変更が相次いでいる。表向きにはグアム路線は便数が増えているように見えるが、実際は不安定な状況である。現在、グアムには大韓航空が1日3便、ジンエアーが1~2便、済州航空とティーウェイ航空が各1便ずつ運航している。しかし、済州航空は10月27日発の仁川発3101便と、11月18日発のグアム発3102便を「事業計画変更」を理由に突然キャンセルした。
これにより、格安航空券で予約していた旅行者の間で不満が噴出している。ある旅行者はレンタカーやホテルまで全て予約していたが、一方的な欠航通知に「非常に腹立たしい」と憤っている。別の4人家族の旅行者も、済州航空の特価で航空券を予約し、ウォーターパークリゾート「PICグアム」やロッテホテルを手配していたが、突然の欠航通知に「呆然とした」と語っている。
旅行会社も対応に追われている。韓国大手旅行会社ハナツアーの関係者は「済州航空の商品は現在販売を中止しており、既存の予約はジンエアーかエアソウルへの変更を案内している」と説明した。ただ、他社の航空券価格がまだ確定しておらず、旅行者に追加料金の支払いが必要となる可能性があるという。
一方、サイパン路線の減便はより構造的な問題となっている。済州航空は仁川―サイパン路線を1日2便(午前と夜間)運航しているが、9月中旬から夜間便(7C3217)は一定期間運休する予定だ。ティーウェイ航空は午後10時30分発の便を1日1便運航している。かつてはアシアナ航空も32年間この路線を運航していたが、2024年6月に無期限運休を決定した。新型コロナウイルス流行前は、済州航空・ティーウェイ・アシアナの3社が週に計7〜14便を運航していたが、現在は格安航空会社2社のみが運航を続ける状況だ。
航空会社側は「ドル高と収益性の悪化」を公式な理由として挙げているが、業界内では「より需要の高い路線へ機材を振り向けようとする戦略的判断」も背景にあるとの見方が出ている。
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