韓国の主要免税店が第3四半期に軒並み営業赤字に転落した。特に新羅免税店は387億ウォン(約42億円)、新世界免税店は162億ウォン(約18億円)、現代免税店は80億ウォン(約8億8000万円)の営業損失を記録し、業界全体が厳しい状況に直面している。
新羅免税店は、国内市内店の売り上げが8.2%増加したものの、空港店の売り上げが5.7%減少。資金調達のため初の転換社債を発行し、1328億ウォン(約147億円)を確保する事態に追い込まれた。新世界免税店は個人旅行客(FIT)の売り上げが33%増加したが、空港店の賃貸料負担が増加し、前年の133億ウォン(約14億7000万円)の黒字から赤字へ転じた。
現代免税店は、中国人観光客の回復が鈍化し、営業利益が90億ウォン(約9億9000万円)減少して80億ウォン(約8億8000万円)の損失を記録。市内免税店の売り上げ減少とプロモーション費用が響いたとされる。
免税店業界はコロナ禍からの回復にもかかわらず、消費行動の変化で収益確保が難しく、危機感が高まっている。業界各社は人事異動や非常経営体制の導入でコスト削減に取り組んでいるものの、依然として厳しい状況が続いている。
免税店業界は今後の賃貸料増加に備え、政府の支援策の必要性を訴えている。業界関係者は「免税市場が世界1位の地位を失わないためにも、政府の支援策が望まれる」と述べ、手数料・賃貸料負担軽減への期待を示した。
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