2026 年 4月 4日 (土)
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韓国・AI基本法見直し論…焦点は「子ども向け安全設計の義務化」

国会議員会館で開かれた「AI倫理政策の未来とAI基本法改正の方向性」がテーマの討論会(c)news1

韓国の「AI基本法」を巡り、子どもや青少年に特化した安全設計を義務付けるべきだとの指摘が専門家から上がった。

ソウル教育大学のパク・ヒョンビン教授は3月31日、国会議員会館で開かれた討論会で講演し、「現行のAI基本法には子ども・青少年に特化した安全義務が欠けている」と問題提起した。

パク教授は、韓国の制度がEUのAI法と比べて倫理や信頼性の面で遅れていると指摘した。具体的には、子ども向けの安全義務、アルゴリズムの偏りや差別防止、感情支援型AIサービスの規制、制裁水準、適合性評価などの点で不十分だとした。

特に、生成AIが発達途上にある子どもの精神面に与える影響への懸念を示し、「同じプラットフォームでも年齢によって影響は大きく異なる」と述べた。

実際、2024年には米国で14歳の少年がAIチャットボットとの対話後に自ら命を絶ったとされる訴訟も起きており、リスクが現実化している。

しかし現行法では、子ども向けAIに関する感情誘導や自傷・自殺対応、年齢別ユーザー体験設計などについて具体的な規定が整っていない。

このためパク教授は、従来の「公平性・透明性・責任」といった枠組みから、対象別に細分化した「ミクロ倫理」へ転換する必要があると主張した。子どもや高齢者、障害者など対象ごとに異なるリスクに応じた設計基準を設けるべきだとしている。

具体策としては、AIサービス提供者に対し、子ども利用時の明示、リスク対応体制の構築、監査ログの確保、操作的・欺瞞的設計の禁止などを義務付ける案を提示した。

一方、政府側も必要性には理解を示しつつ、法改正の方向性については慎重な姿勢を見せている。

科学技術情報通信省の関係者は「既存の教育法や医療法で対応すべきか、AI基本法に盛り込むべきか検討が必要だ」と指摘。教育省も「法規だけで対応するには限界があり、ガイドライン整備も重要だ」と述べた。

(c)news1

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