韓国光州のあるマンションで、清掃車の後退時に7歳の女児が死亡する事故が発生し、住民から安全対策の不備を嘆く声が上がっている。もしも歩道と車道の境にボラードが設置されていれば、車両の歩道侵入を防げたのではないかとする意見が相次ぐ。
事故は先月30日午後1時20分ごろ発生した。マンション内の分別ごみ収集のため、歩道に進入した5トントラックの清掃車が下校途中の7歳の女児をひき、死亡させた。この事故を受け、マンション管理団体は即座に現場付近50メートル以内に車両の進入を防ぐボラード(車止め)を設置し、再発防止に向けた対策を講じた。
警察によると、49歳のドライバーは右後方にいた女児に気づかなかったと供述したという。遺族と住民は、マンション敷地内の道路が交通事故防止や事故管理の空白地帯であると指摘している。道路交通法上、マンション内の道路は私有地とされ、交通取り締まりや予防活動の対象外となっているためだ。また現行法では、管理者や住民が潜在的危険が存在する場合でも自治体に実態調査を求める権限が与えられていない。
警察庁の統計によると、2020年と2021年に韓国の共同住宅敷地内で発生した交通事故はそれぞれ2728件、2861件で、負傷者は7101人に達した。しかし、敷地内で重大な過失があっても刑事処罰が難しい現状が続いている。
被害女児の遺族は「再発を防ぐためには、このような空白地帯を埋めなければならない」と訴えた。住民もまた「普段から宅配車両や一般車両も歩道に駐車することが多い。後になってボラードを設置しても、失われた命は戻らない」と悲しんだ。
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