
韓国で、数百億ウォン規模の違法オンライン賭博サイトを運営したとして起訴された暴力団関係者らが、警察側の証拠収集が適法手続きに反すると判断され、全員が無罪判決を受けた。
清州地方裁判所は3月1日、賭博場開設の罪に問われた9人に無罪を言い渡した。
清州地域でサイト全体を取り仕切ったとされる被告(40代)は、2021年9月から2022年4月まで違法賭博サイトを運営し、賭博資金として約281億ウォン(約30億2356万円)を受け取ったとして起訴された。
同じ組織のメンバーとされる40代の被告ら8人も、サイバー通貨のチャージや換金、名義貸し口座の募集などに関わったとして、あわせて起訴されていた。
捜査の端緒は投資詐欺事件だった。警察が捜査の過程で、ある口座が賭博サイトの換金口座として使われていたことを確認し、違法賭博サイトの捜査に着手。清州市内の事務所で、IPアドレスを海外経由に偽装して使っていた事実を把握したうえで、金融機関への家宅捜索などを進め、関係者を検挙した。
一方、被告側は「警察の捜査は違法だ」と主張し、無罪を求めた。争点となったのは、家宅捜索の際に金融機関やポータルサイトへ、令状の原本ではなくコピーをファクスで提示した点と、押収後に押収品目録を被告側へ交付しなかった点だ。
警察は後になって令状原本を提示したものの、裁判所は、その対応では適法な令状執行と認められないと判断した。裁判所は、令状執行手続きでファクス送付だけにとどまり原本提示がなく、起訴後、令状執行日から3カ月〜1年10カ月が経過してから原本を示した点を指摘した。
裁判所は「被告らが賭博サイト運営に関与していた疑いは相当ある」としつつも、「令状が適法に執行されたとは認められない。検察が提出した証拠だけでは起訴事実を立証したとはいえない」として無罪を言い渡した。違法収集証拠の証拠能力を否定する刑事手続きの原則が、結論を決定づけた形だ。
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