
韓国で健康的な生活習慣を通じて老化の速度を遅らせる「低速老化(スローエイジング)」への関心が高まるなか、20~30代の若年層の間でも、積極的に肌をケアしようと「スレッドリフティング(糸リフト)」を選ぶ動きが広がっている。
医療界によると、スレッドリフティングは体内で安全に吸収される生体吸収性の医療用スレッド(糸)を皮下に挿入し、たるんだ肌を引き上げる施術。コラーゲンの生成を促進し、自然なハリや弾力を回復させる効果がある。スレッドは非常に細く、切開や組織損傷のリスクが少なく、痛みも比較的軽く短時間で施術が可能とされる。
このような特徴から、若い世代からの関心も高まっている。スレッドリフティング専門の「PangPangクリニック」の統計によると、2023年下半期に20代の患者比率は11.5%となり、上半期(6.5%)の約2倍に増加。患者数も上半期50人から下半期138人へと2.7倍に拡大した。
30代も下半期には28.7%の比率を占め、50代(20%台)より高く、40代(31%)とほぼ並んだ。件数は上半期の215人から下半期343人へと約60%増だった。
医療機関側は「シワやたるみを改善して若々しい印象に見せられ、フェイスラインもすっきりするため、若年層の施術も増えている」と話す。老化だけでなく、頬のたるみや二重あごの改善目的でも選ばれているという。
また、SNSなどの影響で「老化症状が出る前に予防する」という意識が若い世代に広がっていることも、施術の普及を後押ししている。
ただ、スレッドリフティングは顔の筋肉や神経構造を深く理解したうえで施術すべき医療行為であり、経験豊富な医師を選ぶことが肝要だ。表情ジワは長年の表情習慣によって形成されるため、繊細な判断と糸の種類・特性の選定が求められる。
バノバギ整形外科のパン・ジェサン代表院長は「スレッドリフティングはコラーゲン生成を助け、自然な弾力を回復できるため人気がある。顔全体のバランスを見て施術し、施術後のアフターケアをしっかりすることが結果を左右する」と語った。
ペンペンクリニックのチョ・ミニョン代表院長も「たるみへの不満が主な動機だが、施術に加えて、自分に合ったスローエイジングライフスタイルを実践することで、若さをより長く保つことができる」と述べた。
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