今年1~10月における韓国国内の20代以下の新車登録割合が、過去最低を記録した。車を必需品と見なさなくなった価値観の変化や、新車価格の上昇が影響を及ぼしているとみられる。
韓国自動車モビリティ産業協会(KAMA)が国土交通省の統計を基に集計した結果、今年1~10月に20代と10代が登録した新車は6万3588台で、全体のわずか5.3%だった。2009年に年代別新車登録統計が始まって以来、最低の数値となった。
20代の新車登録比率は2009年の11.1%をピークに減少を続け、2020年には7.1%、昨年は5.9%にまで落ち込んでいた。2024年もこの減少傾向は止まらず、記録を更新する見込み。30代も事情は同じだ。2014年21.0%だった30代の新車登録シェアは、今年1~10月には14.1%まで低下した。
一方で、60代の登録割合は2014年の6.1%から今年1~10月には11.6%と上昇しており、高齢層が新たな消費層として台頭している。
20~30代が新車購入を避ける背景には、車を「必需品」と考えない意識の変化がある。ソウル市に住む会社員(26)は「都内は地下鉄網が発達しており、車を所有する必要性を感じない。月に1度の遠出にはカーシェアリングアプリを使う」と語る。
さらに、上昇し続ける新車価格も購買意欲を抑制する要因となっている。例えば、若年層に人気の現代自動車「アバンテ」は、5年前には1300万ウォン(約143万円)台から購入可能だったが、現在では基本モデルでも2000万ウォン(約220万円)近くまで値上がりしている。
また、親の車を受け継ぎ、浮いたお金を預金や株式投資に回す「合理的な選択」をする若者も増えている。ソウル市の会社員(31)は「母から譲り受けた車を使い続けている。新車購入は米国株での利益を実現してから考えるつもり」と話す。
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