2025 年 9月 11日 (木)
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韓国・15年後には国の借金3600兆ウォン、利払いだけで250兆ウォン…研究機関が財政悪循環を警告

ソウル・南山タワーから見たマンション群(c)news1

韓国開発研究院(KDI)は9月8日、国家債務の急増により「利払いの急騰で財政運営が悪循環に陥る恐れがある」と警告した。政府が発表した長期財政見通しによれば、2065年には国家債務が国内総生産(GDP)の156%に達すると予測されている。

国家債務の膨張はすでに始まっている。国債の利払いは2020年に18兆6000億ウォン(約2兆円)だったが、2024年には28兆2000億ウォン(約3兆円)に増加。今年は初めて30兆ウォン(約3兆1740億円)を突破する見込みだ。

KDIは報告書で「政府債務が10%増えるごとに国債利率は0.43ポイント上昇する」と分析。これを基にすると、国家債務は2030年に2000兆ウォン(約211兆6000億円)、2040年には3600兆ウォン(約380兆8800億円)に達し、国債利率も7%に迫る可能性がある。年間の利払いは2030年に100兆ウォン(約10兆5800億円)、2040年には250兆ウォン(約26兆4500億円)規模に膨れ上がり、今年の3倍から8倍に達する計算だ。

急増する義務的支出が主因とされる。出生率低下と高齢化に伴う福祉・年金支出はGDP比で2025年の13.7%から2065年には23.3%に跳ね上がる見通し。国債の大量発行が金利を押し上げ、利払いがさらに財政を圧迫する「借金の悪循環」が現実味を帯びている。

専門家は「財政危機を防ぐゴールデンタイムが迫っている」と口をそろえる。ソウル市立大のキム・ウチョル教授は「国家債務比率が60%を超えると国債の調達コストが急騰し、国の信用格付けに影響しかねない」と警鐘を鳴らした。

延世大のキム・ジョンシク名誉教授は「増税は難しい以上、成長率を高めて税収を増やすしかない。半導体産業を育成したようにAIなど新産業を育て、低成長から抜け出す戦略が必要だ」と強調した。

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