
韓国・首都圏で「ラブバグ」の大量発生により、防除を求める住民からの苦情が急増している。ソウル市によると、2024年に同市に寄せられたラブバグ関連の苦情件数は9296件で、1年前の4418件のほぼ2倍だ。
この昆虫は本来、沖縄や中国南部などの温暖な地域に生息していたが、2022年以降は韓国の首都圏でも大規模に出現。ラブバグの寿命はオスが3~4日、メスが約1週間で、1度に200~300個の卵を産むが、生存率は高くないため、発生後2週間ほどで急激に減少する傾向がある。
ラブバグは実は人間にとって有害な存在ではない「益虫」であり、土壌の浄化や花の受粉を助け、魚や鳥、他の昆虫のエサにもなる。甘露や花の蜜を好み、人を噛むこともないが、光に引き寄せられ、都市部でよく見られる。飛行中でもオスとメスが交尾したまま行動する姿から「ラブバグ(愛の虫)」と呼ばれている。
しかし、殺虫剤による無差別な駆除は生態系に悪影響を及ぼす恐れがあるため、多くの自治体は化学的防除を控えている。
ソウル市恩平区では、白蓮山一帯に専用の捕虫器を設置。麻浦区は苦情が集中した地域を中心に、散水車による水撒き方式の防除を実施中。
ソウル市は市民に対し「ラブバグは長距離を飛べず、羽も弱く、水を嫌う」と説明。窓ガラスや車体に付着した場合は水をかけて洗い流すのが有効だという。
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