韓国の集合住宅で最近、騒音による隣人間の争いが多発している。韓国環境公団が運営する「階間騒音隣人関係センター」によると、昨年の苦情は3万6435件と10年前の約2倍に増加。その内容は「上階の騒音に耐えられない」というものと「自分は何もしていないのに下階から抗議される」というものに分かれるという。
建設業界では各社が独自の騒音低減技術の開発に注力している。たとえば大手のサムスン物産は「階間騒音1等級技術」の認証を取得し、DLイーエヌシーは「ザ・サイレント」という独自の手法を導入した。現代(ヒョンデ)建設も「Hサイレントソリューションパッケージ」という技術を取り入れている。
韓国土地住宅公社は自社技術の開発に加え、中小企業に騒音試験施設を提供する取り組みを進めている。来年設計に着手する公営住宅では、政府基準の37デシベルを上回る35デシベル以下に抑えられる。
一方、政府も階間騒音対策のため法改正を進めている。国土交通省はアパート建設時の階間騒音基準を満たさない場合、完工承認を拒否する方針を発表。実施に必要な住宅法改正が来週国会で議論される見通しだ。
専門家の中には政策の方向性を支持しつつも、建設過程での基準順守が現実的かどうか疑問視する声もある。国土交通省はいまだ完工不許可の事例はないとし、「ほとんどの場合、天井材や床材の補強で基準を満たす」と説明している。
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