2025 年 10月 6日 (月)
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韓国・長期療養保険支出、5年で87%急増…国庫依存度上昇に「警告灯」

ソウルのタプコル公園近くの無料給食所に並ぶ高齢者(c)NEWSIS

韓国で長期療養保険の支出が5年間で約87%増加し、国庫依存度が大幅に高まっていることが明らかになった。2024年の当期収支は2年前の半分水準に縮小しており、制度の財政負担が一層深刻化しているとの指摘が出ている。

国会保健福祉委員会所属のキム・ミエ議員(国民の力)が国民健康保険公団から受け取った資料によれば、2024年の長期療養保険総支出は15兆2937億ウォンで、2019年(8兆1579億ウォン)から87.5%急増した。急速な高齢化や物価上昇を反映したサービス単価引き上げなどが背景にあると分析される。

同保険の総収入は2019年7兆4977億ウォンから2024年には16兆1296億ウォンへと115.1%拡大した。しかし支出増加に伴い、当期収支は8359億ウォンにとどまり、2022年(1兆6664億ウォン)の半分以下となった。累積収支は5兆6186億ウォン。

特に国庫支援の増加が目立つ。2024年の国庫補助金は2兆2268億ウォンで、2019年(8912億ウォン)比で約2.5倍(150%)に増加した。これは将来的に税負担や制度の安定性を揺るがす要因になり得る。

一方で、保険料の徴収率は改善を続けている。2019年98.3%だった徴収率は2025年8月時点で99.5%に上昇し、地域加入者・職場加入者いずれも向上傾向を示した。また不正請求を抑えるための審査調整金額は2019年の7億6065万ウォンから2024年には4億2347万ウォンにまで減少した。

しかし、機関評価ではサービス品質のばらつきが大きい。2024年の在宅給付評価ではA等級が21.7%、B等級32.1%だった一方、C~E等級は46.1%に達した。評価を受けなかった機関も1019カ所あり、廃業や利用者不足が主因とされた。政府は今年、低評価機関に対して実態調査やコンサルティング、メンタリングを実施する。

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