パリ五輪バドミントン女子シングルスの金メダリスト、アン・セヨン選手が大韓バドミントン協会の選手管理や訓練方式に問題があると暴露した件に関して、同協会は16日、非公開で真相調査委員会を開いた。この動きに対し、政府は協会に調査を停止するように求めたが、協会はこれを無視して調査を強行し、波紋が広がっている。
協会は15日に、突然「アン・セヨン事件」に関する独自の真相調査委員会を設置し、調査を開始することを発表した。これに対して文化体育観光省は翌16日、協会の定款違反を指摘し、適切な手続きを求めた。しかし、協会が「セルフ調査」を強行したことで、政府からの警告とも取れる指摘がなされた。
協会の調査は「免罪符」となる可能性が高いことから、文化体育観光省は重要な問題については理事会の審議と決議を経る必要があると指摘し、協会長が独断で調査委員会を立ち上げたことに手続き上の問題があるとみなしている。
それにもかかわらず、協会は16日に独自の真相調査委員会を稼働させ、バドミントン国家代表チームの監督やトレーナーたちを呼び、3時間にわたる面談を実施した。協会内の調査委員5人のうち、3人は非公開で、残りの2人は協会長の支持者とされる人物だったという。
一方、アン・セヨン選手は協会の調査には応じず、今後も協力する意思はないとされている。しかし、文化体育観光省の調査には応じる意向を示しており、19日には文化体育観光省のチャン・ミラン第2次官と非公開で面談したと伝えられている。この面談では、今回の事件に対するアン選手の立場を確認する場となったようだ。
文化体育観光省はすでに12日に協会に対する調査を開始している。アン選手が5日に金メダルを獲得した直後のインタビューで、選手の怪我の管理、訓練支援、協会の意思決定体制や大会出場に関する問題を指摘したため、オリンピック終了後すぐに調査に乗り出した。
同省は、アン選手が指摘した内容の経緯を調査するだけでなく、これまで議論されてきた制度の問題や協会の補助金の執行および運営実態も包括的に調査している。2024年の基準で、同省は協会に71億2000万ウォン(約7億8000万円)の補助金を支給している。
文化体育観光省は、来月の結果発表を目標にイ・ジョンウ体育局長を団長とする調査団を稼働させており、関連調査の経験がある職員やスポーツ倫理センターの調査官など10人以上が調査を進めている。
大韓体育会も、オリンピック期間中にアン選手の暴露があった直後に独自の真相調査を予告していたが、文化体育観光省が調査に着手すると、実際には調査をしていない。アン・セヨン選手の問題を巡り、文化体育観光省、大韓体育会、バドミントン協会の3機関が同時に調査をするという異常な事態になりかけたが、大韓体育会はアン・セヨン選手の問題から手を引いている。
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