韓国の酒類業者が景気低迷で売り上げ増加傾向が鈍化したため、海外市場の攻略に力を入れている。
ハイト真露(ジンロ)は欧州の大型マートへの入店を拡大し、ロッテ七星(チルソン)飲料は東南アジア進出に拍車をかけている。ハイト真露は今年1月、ベトナムに焼酎工場敷地建設のために約8万平方メートルの土地賃借契約を締結した。
韓国の酒類業者が海外進出に速度を上げる最も大きな理由は、国内市場の売り上げ成長の勢いが大きく鈍化したためだ。
若い消費者を中心にウイスキー・テキーラなど輸入酒類の消費が多く増えたうえに、新型コロナウイルス感染パンデミックを経て、酔うまで飲むよりは楽しむ飲酒文化が定着したためが大きいと見られる。
実際、酒類業者の酒類と焼酎の売り上げ増加傾向は昨年を境に鈍化する様相を見せている。
ハイト真露の2022年の酒類売り上げは前年より12.7%増加したが、2023年には前年より3.5%増加に止まった。酒類全体の売り上げのうち、2022年の焼酎の売り上げは前年より15.9%増加したが、2023年には前年より1.9%減少した。
ロッテ七星(チルソン)飲料も同じだ。2022年の酒類全体の売り上げは前年より15.2%増加したが、2023年には前年より3.8%増加に止まった。2022年酒類全体の売り上げの中で焼酎の売り上げは前年より20%増加したが、2023年には増加傾向が鈍化し、前年より18.5%の増加だった。
焼酎など酒類売り上げの増加傾向が鈍化しているため、酒類業者等は海外進出を急いでいる。
ハイト真露は2025年末、ベトナム工場を完工させる。同工場はハイト真露の海外初の生産工場で、東南アジアなど輸出拡大のための前哨基地として活用されるものとみられる。
ハイト真露は昨年には英国最大のスーパーマーケットチェーンであるセインズベリーに入店し、大型オンラインモールであるオカド(Ocado)にも入店した。フランスのルフ(Lefeu)にも入店したハイト真露は、ヨーロッパなどの大型スーパーマーケットチェーン、オンラインモールの入店を引き続き推進する計画だ。
ロッテ七星飲料は昨年9月末、子会社に編入した「フィリピンペプシ」を足がかりにグローバル事業拡張を計画中だ。
ロッテ七星飲料は現在、日本、米国など50カ国余りにチョウムチョロムとセロ、スンハリを輸出しており、日本・米国・中国にはゼロシュガー焼酎を、東南アジア地域には果物焼酎など国家・地域別に差別化されたマーケティングを展開している。
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