2025 年 10月 31日 (金)
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韓国・進歩系が展開した「トランプ氏訪韓」反対デモ…保守系は「中国共産党アウト」集会という混乱

2025年10月29日、「トランプ訪韓反対」決議大会を終えた民主労総の参加者(c)news1

アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を契機にトランプ米大統領が10月29日に韓国・慶州市を訪問したことを受け、同市中心部ではトランプ氏の訪韓やAPECに反対する集会・デモが相次ぎ、交通混雑が深刻化した。

同日午前、市内のある交差点では、進歩系市民団体「2025 APEC反対国際民衆行動組織委員会」が抗議行動をし、「トランプは不平等な世界秩序の象徴」と非難。トランプ大統領の人形にロープを巻き、レッドカードを貼るパフォーマンスをしながら「1%のためのAPEC反対」「トランプは帰れ」などのスローガンを叫んだ。

午後には民主労総(韓国最大の全国労働組合)をはじめとする30以上の団体、約3000人が旧慶州駅周辺で大規模なデモ行進を展開した。警察は8000人以上の警備体制で対応したが、午後2時半ごろ、一部の参加者が警察の制止線を突破し、国立慶州博物館方面に突入を試みる事態も発生。警察は700人を追加投入して阻止し、短いもみ合いがあったが大きな負傷者は出なかった。

この影響で、慶州市中心部の道路は完全に麻痺状態となり、「街全体が駐車場になった」との市民や商人の声も多く聞かれた。

旧慶州駅近くの伝統市場で店を営む商人は「APECとは何なのか。営業できず大混乱だ。客足は普段の半分にも満たない。国を挙げた行事なのに、被害は商人が被るばかり」と憤った。一部の店は午後4時ごろ早めに閉店し、警察車両のアイドリングによる排気ガスにも不満の声が上がった。

一方、同日午後4時には、太極旗と星条旗を掲げた極右保守系団体が市内の広場で「中国共産党(CCP)アウト」「イ・ジェミョン(李在明)アウト」「ムン・ジェイン(文在寅)アウト」などのスローガンを掲げ、2.5kmを行進。警察は交通を統制した。

この光景を見た中国人観光客は「観光地で大規模な行進を見るのは新鮮だったが、一部の韓国人が中国人を快く思っていないようで残念に感じた」と語った。外国人観光客たちは携帯で映像を撮影しながら興味深そうに見守っていた。

(c)news1

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