2025 年 7月 13日 (日)
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韓国・蔚山の「先史時代岩刻画」、ユネスコ世界遺産に登録…「6000年前の芸術」傑作

蔚州大谷里盤亀台岩刻画=国家遺産庁提供(c)news1

韓国南東部・蔚山にある「盤亀川の岩面彫刻」がユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録された。先史時代の人々が生活や信仰、自然を刻んだこの岩刻群は、2010年に世界遺産暫定リストに載ってから15年を経てようやく登録に至った。これにより、韓国の世界遺産は文化遺産15件、自然遺産2件の計17件となった。

ユネスコ世界遺産委員会は7月12日(現地時間)、フランス・パリで開かれた第47回会合で「盤亀川の岩面彫刻」を世界遺産に登録することを決定した。

この遺産は、国宝に指定されている「蔚州大谷里盤亀台岩刻画」と「蔚州川前里刻石」を含むもの。幅約8メートル、高さ約4.5メートルの岩面に、海洋動物や陸上動物など312点が彫られている。特に大谷里の盤亀台岩刻画では、銛(モリ)で突かれたクジラや子連れのクジラの姿が生き生きと表現されており、先史時代の生態系と人々の生活を生々しく伝えている。

世界遺産委員会は登録にあたり、「卓越した観察力と独自の構図で描かれた写実的な図像は、当時の人々の芸術性と創造性を示す傑作である」と評価。さらに「6000年にわたり続いた岩刻の伝統を証明する独自の証拠であり、朝鮮半島東南部沿岸地域に暮らした人々の文化的発展を凝縮して示す遺産だ」と位置づけた。

一方、委員会は登録に際して▽泗淵ダム工事の進捗状況をユネスコ世界遺産センターに報告する▽盤亀川世界岩刻画センターの効果的な運営▽地域共同体と住民の管理参加▽遺産の「卓越した普遍的価値(OUV)」に影響を与える全ての主要開発計画について世界遺産センターに通知する――などを勧告した。

蔚山大学歴史文化学科のチョン・ホテ名誉教授は「盤亀台岩刻画は欧州の先史美術史においても言及される重要遺跡であり、今回の登録によって国際的にその価値が認められた。登録後もこの遺産の価値を世界と共有し続けるためには、継続的な研究が必要だ」と強調した。

(c)news1

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