2025 年 5月 14日 (水)
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韓国・自立準備青年の3人に1人が「自殺を考えた」経験…厳しい“ひとり立ち”の現実

釜山市自立支援センターで開かれた「自立準備青年」のための社会スキル教育=釜山市自立支援センター提供(c)NEWSIS

韓国で、国の保護のもとで育った後、社会に出て自立を始めた「自立準備青年」のうち3人に1人が自殺を考えたことがあると回答したことが、最新の調査で明らかになった。経済的困難や孤独に直面し、精神的な支援の必要性が高まっている。

児童権利保障院が発行した「児童政策ブリーフ」によると、2023年に実施された「自立準備青年パネル調査」の分析結果で、自立準備青年は児童福祉施設などにいる保護中の児童よりも人生の満足度が低く、自殺念慮の比率も高いことがわかった。

調査を手掛けたチャン・ヒソン副研究委員は「自立準備青年」とは、親の死去や虐待などの事情で家庭を離れ、国の保護(養護施設、里親、共同生活家庭など)を受けて育ち、保護措置が終了した青年たちを指すと説明。保健福祉省によれば、2019年から2023年までに保護を終えた青年は累計9970人で、毎年約2000人が自立に踏み出している。

調査によると、自立準備青年の平均的な人生満足度は10点満点中5.3点。これは、養護施設にいる児童(7.0点)、共同生活家庭(7.3点)、里親家庭(6.9点)よりも低い。

また「自殺について考えたことがある」「具体的な方法を思い描いたことがある」など6項目のうち、1つでも「考えたことがある」と答えた自立準備青年は35.1%。対して養護施設の児童は20.8%、共同生活家庭が16.9%、里親家庭が17.3%と、明確な差がみられた。

自立後に直面する困難としては「金銭不足」「住居の問題」「就職情報や資格の不足」が多く挙げられ、全体の41.8%を占めた。

自立支援サービスの効果も検証され、メンタリングを受けた青年は人生満足度が5.72点と、利用していない青年(5.32点)よりも高かった。一方、国の最低生活保障制度を利用している青年は満足度が5.07点で、非利用者(5.49点)よりも低いという逆転現象も見られた。

(c)NEWSIS

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