
韓国で2025年上半期、国内の自営業者による銀行借入残高と延滞額がいずれも過去最大を記録した。個人事業者向け融資の急増とともに、景気低迷による返済遅延が深刻化しており、今後の金融システムへの波及リスクが警戒されている。
韓国銀行が国会予算決算特別委員会所属のチョ・ウニ議員室に提出した「業種別個人事業者貸出状況」によると、今年上半期の個人事業者向け貸出延滞額は3兆1300億ウォンに達し、前年同期比で約24%増加した。延滞額は銀行が提出した業務報告書をもとに集計されたもので、統計が確認できる2008年以降で最大となる。
同期間の個人事業者向け貸出残高は456兆2000億ウォンで、これも過去最高水準。貸出残高の増加に伴い延滞額も増えており、資金繰りの悪化が実際の信用不良へと転化しつつある兆候とみられている。
四半期別では、1〜3月期に3兆2400億ウォン、4〜6月期には3兆200億ウォンと、2四半期連続で延滞額が3兆ウォン台に達した。やや減少傾向にあるものの、前年同期比では16%も高い。
業種別に見ると、延滞額が最も多かったのは小売・卸売業(7400億ウォン)、次いで製造業(5800億ウォン)、不動産業(4900億ウォン)と続く。特に小規模事業者が集中する内需型業種で延滞リスクが高まっている。
一方、今年第2四半期末時点での個人事業者向け貸出残高は、前期(455兆5000億ウォン)から7000億ウォン増の456兆2000億ウォン。業種別では、不動産業が161兆5000億ウォンと全体の約35%を占めており、過去最高を記録した。次いで製造業(70兆9000億ウォン)、小売・卸売業(76兆9000億ウォン)、宿泊・飲食業(43兆2000億ウォン)などが続いた。
延世大学経済学部のキム・ジョンシク名誉教授は「内需の冷え込みが自営業者の延滞率上昇につながっており、このままでは中小企業、大企業、さらには家計へと信用不安が広がる恐れがある」と警告した。
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