未来自動車への革新が環境を保護し、ドライバーの安全・利便性を高めることが期待される一方で、韓国の既存部品メーカーの従業員10人のうち4人以上が居場所を失うことになるかもしれない。韓国自動車研究院によると、未来自動車への転換で必要なくなる部品のメーカー及びその従業員はそれぞれ全体の4割以上を占めており、そうしたメーカーでは革新への対応もうまくいっていないからだ。
◇消えるエンジン・排気・燃料系部品
韓国自動車研究院は21日、国内部品メーカーが未来自動車への転換にどう対応しようとしているのか調べた報告書を公表した。それによると、国内自動車部品企業数は2021年時点で1万212社、従事者数は21万4878人だった。
研究院は、電気自動車や水素燃料自動車など未来自動車への転換でエンジン・排気・燃料系部品が消えるほか、動力伝達部品数も相当数減少し、内燃機関車に比べて50%以上減少すると予想している。
こうした消えゆくエンジン・排気・燃料系部品のメーカーは全体の43.4%の4429社、雇用人員は44.1%の10万8000人を占めている。
ADAS(ドライバー支援システム)、センサー、電気駆動系などの部品メーカーは未来自動車への転換後も維持されると見ている。同分野の事業体は全体55.6%の5682社、雇用人員は54.8%の13万4000人だ。
未来自動車への転換で需要が拡大するとみられるバッテリー、半導体、自動運転関連部品メーカーは100社余りで雇用人員も3000人に過ぎない。
◇投資にも明確な違い
既存の部品メーカーと未来自動車部品を扱うメーカーでは投資にも明確な違いがある。付設研究所を運営している部品メーカーは13.9%しかなかったが、未来自動車の主要部品メーカーは67.1%に上った。
国内部品メーカーは資金・情報不足などの理由で未来自動車時代に備えることができておらず、72.6%が「計画がない」と答えた。このうち42.5%は「未来自動車事業への進出が必要だが資金が不足している」、32.2%は「情報が不足している」とそれぞれ答えた。一方、未来自動車の主要部品メーカーは81.8%がすでに「関連製品を生産中」、12.7%は「関連製品開発中」だった。
報告書は、国内自動車部品産業で事業体数の89%、雇用人材の68%を占める2次・3次の協力会社が未来自動車への転換を図れるかどうかが大きな影響を及ぼすと見ている。
湖西大学のソン・ホソン教授は「完全に新たな分野に事業再編するより、既存品目と類似した分野の部品群への転換を推進している企業が多い。適切な職務転換の教育がなされれば、雇用人材の維持は十分に可能だろう」と予測した。そのうえで「政府や1次協力会社などは、相当な雇用割合を占めている2次・3次協力会社を総合的に支援すべきだ」と訴えた。
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