2024 年 11月 24日 (日)
ホーム社会韓国・生徒のイヤフォン紛失騒動で飛び出した「泥棒」発言…これは「処分されるほど」の校内暴力なのか?

韓国・生徒のイヤフォン紛失騒動で飛び出した「泥棒」発言…これは「処分されるほど」の校内暴力なのか?

(c)MONEYTODAY

ある生徒が学校でワイヤレスイヤフォンを紛失した。それを探していたら、別の生徒のバッグに入っていた。「盗まれた」「盗んでいない」でもみ合いになった時、持ち主の口から「泥棒」という言葉が飛び出した。この発言が教育当局から「校内暴力」とみなされ、持ち主はさまざまな処分を受けることになった――。

この処分は不当であるとして、持ち主の生徒が韓国仁川市の教育支援庁を相手取って、処分の取り消しを求めた行政訴訟の判決公判が20日開かれ、仁川地裁は、すべての処分の取り消しを命じた。

事件の経緯を振り返ってみる。

原告生徒Aは昨年11月、音楽の授業中に友人Bから「ワイヤレスイヤフォンをなくした」と相談を受けた。Aは休み時間にBのスマート機器の「デバイス探す」機能を使って調べたところ、生徒Cのバッグ付近にそれがあることがわかった。AがCの了承を得てバッグを開けると、Bのイヤフォンが入っていた。

ここでCは「盗んだ」と疑われたことから、Bらと揉み合いになった。その途中、「泥棒」という言葉が飛び出した。この一件が広まり、校長はAらを校内暴力審議委員会にかけた。

仁川市のある教育支援庁の審議委は「AがCを泥棒呼ばわりした」と指摘したうえ「その行為は名誉毀損といえる校内暴力だ」と断定し、Aに対して書面での謝罪▽被害者への接触禁止▽報復禁止▽特別教育2時間――の処分を下した。これに対し、Aは教育当局の処分が違法であると主張し、提訴したという経緯だ。Cは窃盗の容疑で警察の取り調べを受けたが、「嫌疑なし」とされた。

判決で仁川地裁は「目撃者の証言が食い違い、たとえそのような発言があったとしても、友人たちが揉み合う混乱した状況で即興的に出た可能性がある」と判断した。

そのうえで「仮にAがそのような発言をしていたとしても、それを校内暴力とするのは行き過ぎだ。そのような行動には適切な指導が必要だが、校内暴力と判断するのは過剰だ」と指摘した。

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