
韓国の大手自動車メーカー現代自動車は2030年までの5年間に総額77兆3000億ウォンを投資し、生産能力を120万台拡大すると発表した。これによりグローバル販売目標を年間555万台に設定し、そのうち60%にあたる330万台を電気自動車やハイブリッド車などの環境対応車とする方針だ。
同社は9月18日(現地時間)、米ニューヨークで初の「CEOインベスター・デー」を開き、中長期戦略を公開した。北米を含む地域別販売比率を初めて明らかにし、北米26%(144万台)、インドと欧州が各15%(83万台)、韓国13%(72万台)などとした。
環境対応車の拡充が戦略の核心であり、ハイブリッド車(HEV)のラインアップは2030年までに18種類以上へ拡大。ジェネシスブランド初のハイブリッドも投入する。さらに欧州向け「アイオニック3」、中国市場向け新型電動セダン、インドでの小型SUVなど、各地域に特化したEV戦略を推進。2027年には航続距離延長型電気自動車(EREV)の投入も計画している。
生産面では、米ジョージア州のメタプラント・アメリカ(HMGMA)の能力を2028年までに50万台へ増強。インド・プネ新工場(25万台)や韓国・蔚山のEV新工場(20万台)も稼働予定だ。さらにサウジアラビアに年5万台規模の工場を2026年末までに建設するなど、新興市場でのCKD生産拠点拡大も進める。
高性能ブランド「N」は2030年に年間10万台の販売を目指し、現行5車種を7車種へ拡大。ジェネシスは「マグマ」ブランドで高性能モデルを展開し、2030年の販売目標を35万台とした。北米市場では2028年までに260億ドルを投資し、電動商用バンや中型ピックアップを投入する計画だ。
財務面では、2025年の営業利益率目標を6~7%、2027年を7~8%、2030年を8~9%と設定。今回の指針では年間売り上げ成長率目標を引き上げつつ、関税の影響を反映して利益率は下方修正した。投資計画は研究開発に30兆9000億ウォン、設備投資に38兆3000億ウォン、戦略投資に8兆1000億ウォンを配分する。
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