韓国・現代自動車は、中国・上海で開催された中国国際輸入博覧会(CIIE)で水素事業に注力する姿勢を明らかにした。現代自動車の水素事業責任者であるユン・ヨンイル常務は5日、「中国は世界の水素エネルギー推進に不可欠な市場」と述べ、成長が見込まれる中国市場への水素関連投資を強調した。
CIIEでは、現代の水素トラック「MIGHTY Fuel Cell」や水素電気車「NEXO(ネッソ)」の中国版、さらに現地で生産した水素燃料電池を搭載した水素バスなどが展示され、現代自動車の水素技術が大々的にアピールされた。中国政府が2030年以降に段階的なカーボンニュートラルを目指しており、水素エネルギーの需要増加が見込まれている背景から、現代自動車も投資を続けている。
現代自動車は2019年に中国市場に進出し、広東省広州に水素燃料電池システムの研究開発・生産・販売拠点「HTWO広州」を設立した。この拠点は昨年6月から稼働を開始し、中国の商用車市場を中心に水素電気車の供給拡大を図っている。また、今月15日に開幕する広州モーターショーで新たに発表された水素電気車コンセプト「イニシウム(INITIUM))」も展示される。
一方で、現代自動車の中国法人である北京現代の今年1~9月の販売台数は、前年同期比で約30%減少し12万4200台にとどまった。現代自動車は中国での販売回復を図るため、先月には上海に「先端技術研究開発センター」を設立し、技術開発に注力している。来年には新たな戦略車種を投入し、中国市場での巻き返しを狙っている。
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