「二度殺すのはやめてほしい」。初伏を迎えた15日午後、韓国大邱市北区の七星(チルソン)犬市場。全国3大犬市場の中で唯一残った場所だ。「犬食用禁止法」が国会本会議を通過したことにより、大部分の食堂が店を賃貸に出すなど廃業に追い込まれた。
残っているボシンタン(犬肉)店と健康院など10カ所余りは商売を続けているが、例年に比べて客数が確実に減った。
昼休みの一時、賑わっている食堂もあったが、すべての食堂が初伏特需を享受したわけではなかった。食堂の調理室は釜から出る蒸気が充満していたが、商人たちの表情はあまり明るくなかった。
多くの商人は取材を嫌がった。残った食堂すべてを閉めることが既定事実化された状態で、これ以上の質問は意味がないと考えたからだ。
30年以上店を続けている経営者(70代)は「すでにメディアなどを通じて七星犬市場も消えることが確実になったのだから、これ以上何を言っても意味がない。注目され続けることは2度死ぬのと同じだ」と吐露した。
廃業するのは残念だという客もいた。常連は「1回でも多く食べようと来店した。年取った人だけが好んで食べる食べ物を、あえて法で禁止する必要があるのか」と話した。
一方、この日は七星犬市場の早期閉鎖を促す記者会見が開かれた。
最大野党「共に民主党」大邱市党動物保護特別委員会は、大邱市庁舎前で「犬の食用終息法が通過してすでに半年が過ぎた。七星犬市場の早期撤廃のため3000人を超える市民が署名運動を展開し対策の策定を求めたが、まだ進展がないのは残念だ」と述べた。
七星犬市場は残った食堂を含む20余りの業者全てが5月までに運営現況を申告した。終息のための履行計画書は来月5日までに提出しなければならない。
犬の食用終息法公布日から食用目的の犬飼育農場など施設の新規または追加の運営が禁止される。公布3年後の2027年2月からは食用目的の犬飼育増殖・食肉解体と、犬を原料に調理・加工した食品の流通・販売が制限される。
食用目的で食肉解体すれば3年以下の懲役や3000万ウォン以下の罰金、犬を流通・販売すれば2年以下の懲役または2000万ウォン以下の罰金となる。
(c)NEWSIS