韓国で最近、安定傾向を示していた物価が多くの悪材料に直面し、今年の物価上昇率3.3%という政府の展望に暗雲が垂れ込めている。豪雨による食品価格上昇と交通料金など公共料金引き上げを控えているうえ、ロシアの穀物協定脱退による国際インフレへの懸念が大きくなっているためだ。
企画財政省によると、アジア開発銀行(ADB)は今年の韓国物価上昇率の予想値を従来の3.2%から3.5%へと引き上げた。
実際、韓国の消費者物価は石油類と農産物の価格が安定して6月は2.7%だったが、それ以外の根源物価指数は4.1%で下がっていない。
政府は今年の物価上昇率を3.3%と提示したが、ADBは根源物価上昇傾向を考慮し、これを懐疑的に見ている。
農林畜産食品省によると、この10~20日の間、豪雨で農耕地約3万4583haが浸水や落果被害を受けた。鶏や豚などの家畜被害も82万5000頭に上る。
この余波でほうれん草は1カ月前の2.5倍、赤サンチュは3倍の価格に跳ね上がった。鶏肉も先月1キロ当たり3908ウォン(1ウォン=約0.1円)だった卸売価格が4279ウォンに上昇した。
ウクライナに侵攻しているロシアが穀物協定の中止を宣言し、安定を取り戻しつつあった国際穀物価格が不安定になりかねない状況だ。
また、ソウル市は今月12日からバス料金を300ウォン引き上げ、10月7日から地下鉄料金も150ウォン引き上げる。電気とガスも上がれば、物価全体を押し上げる可能性がある。
中央大学経済学科のイ・ジョンヒ教授は「海外穀物依存度が高い韓国は大きく影響を受ける。穀物価格が外食など他の物価に波及すれば、影響はさらに大きくなるだろう」と話した。
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