韓国の無人アイスクリーム店で昨年8月、ある男性が鏡を見ていてうっかり4000ウォン(約426円)を支払わずに店を出たことで、恐ろしい時間を過ごすことになった――こんな話がJTBC「事件班長」で伝えられた。
防犯カメラの映像には、男性がアイスクリームのバーコードを読み取り、アイスクリームを袋に入れた後、鏡を見て支払いを忘れたように店を出ていく様子が映っていた。
数日後、男性宅に凶悪犯罪を捜査する刑事2人が訪れた。その時になって初めて男性は「窃盗犯」として疑われていることに気づいた。
男性は故意ではないことを知らせるため、無人店舗の店主に電話をかけた。男性は「支払い忘れだけで警察が来た。どうなっているのか」と尋ねると、店主は「警察署に行って確認すればいいじゃないか」と答えた。
男性が「忘れていただけだ。あなたの店を1~2年使っている常連だ。故意じゃない。なのに、いきなり刑事が来て、窃盗犯だと……。納得できない」というと、店主は「われわれからみれば、明確な窃盗だ。納得できないのはこっちのほうだ」と返した。
店主によると、こうした出来事が頻発しているといい、ある客は200万~300万ウォン(約21万3200~31万9800円)分も持っていったという。
一方で、男性は「私はそんな人間ではない」と無実を訴え、「2年間で450回ほど訪れ、90万ウォン(約9万5940円)以上を使ってきた。店主とも顔を合わせて話したことがあり、支払いを忘れた翌日にも、全く気づかずにアイスクリームを買っていった」と主張した。
その後、警察は男性を窃盗容疑で検察に送致した。警察は男性に「少額でも窃盗は窃盗だ。窃盗は被害者の意思に関わらず刑事処罰を受けることになる」と説明した。
ただ、男性は防犯カメラの映像や支払い履歴などの証拠資料と意見書を整理して検察に提出した結果、窃盗の疑いについて不起訴とした。検察は「男性がこの店の常連であり、何度も商品を購入して支払いをした履歴がある点や、持ち出された商品の価値が4000ウォン(約426円)に過ぎない点を考えれば、盗む理由が見当たらない」として、嫌疑なしと判断した。
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