
韓国・務安国際空港で2024年12月に発生した済州航空機事故に関連し、遺族らが7月19日、事故調査報告書の原本が公開されていないことに対し強く抗議した。国土交通省傘下の航空・鉄道事故調査委員会(調査委)が、一方的に調査結果を通告するだけで、詳細な報告書を開示していないと遺族側は批判している。
この日、務安国際空港の管理棟で記者会見を開いた遺族協議会第2期代表のキム・ユジン氏は「国際的な惨事の調査では、疑念を招かないよう、すべてを透明に公開するのが常識だ。しかし調査委は『調査の独立性を損なう』という理由で、いまだに報告書を開示していない」と述べた。
またキム代表は「本日のエンジン調査結果にも明確な報告書があるはずだ。それを公開してほしいと要請したが、応じず、事故の調査結果だけを一方的に通知してきた」と訴えた。
別の遺族も「国家ならば、事故を起こした機種自体を二度と運航できないようにすべきだ。今日のエンジン調査結果が報道されれば、市民はこれで全て終わったと誤解しかねない」と強い怒りを示した。
調査委は当初、同日午後3時に現地で記者会見を開き、旅客機のエンジン調査結果を発表する予定だったが、遺族の強い抗議により中止となった。代わりに、遺族らが独自に記者会見を開き、「調査委は一方的に結果だけを通知している」と改めて批判した。
事故は2024年12月29日午前、タイ・バンコク発の韓国格安航空・済州航空の旅客機「7C2216便」が、務安空港で胴体着陸を試みた際に空港内の構造物に衝突して爆発、乗客・乗員計181人のうち179人が死亡した。
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