
韓国・江原道(カンウォンド)の東海岸に位置する束草(ソクチョ)と江陵(カンヌン)の距離はわずか60キロ。ところが、猛暑に見舞われた今夏の水事情を巡って、全く異なる表情を見せている。
束草市は8月23日、若者に人気の音楽と水遊びを組み合わせたフェス「ウォーターボム束草」を開催。夏の定番行事に全国から多くの観光客が集まり、地元経済を潤した。
これに対し、南へ60キロの江陵市では同じ日、市内の87%で制限給水措置がスタート。主な水源である梧鳳(オボン)貯水池の貯水率が21.8%にまで下がり、生活用水として使える日数は24日分まで低下した。
江陵市のキム・ホンギュ市長は「こんな深刻な干ばつは30年ぶり」と記者会見で苦しい胸の内を明かした。市内の飲食店では節水のため、給水ポットの代わりに500ミリリットルのペットボトル水を提供するなどの協力も始まっている。主要海水浴場では足洗い場の蛇口が取り外され、市内18海水浴場全てが8月17日で閉鎖された。
一方、両市の温かな交流も生まれている。束草市は江陵市にミネラルウォーター3万本(約3000万ウォン=約318万円相当)を支援。8月14日には束草市のイ・ビョンソン市長と地元の企業「グローバル深層水」のキム・ジンギュ代表が江陵市を訪れ、支援物資を手渡した。
キム・ホンギュ市長は「必ず恩返ししたい」と述べ、イ・ビョンソン市長は「束草市民の温かな気持ちが江陵市民にとっての希望となることを願う」と語った。
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