2025 年 6月 6日 (金)
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韓国・李在明政権は“在韓米軍縮小”に備え、北東アジア集団の安全保障戦略の再検討を…専門家が提言

京畿道平沢市にある在韓米軍基地キャンプ・ハンフリーズ(c)news1

在韓米軍の役割変化に備え、韓国のイ・ジェミョン(李在明)政権は北東アジア地域における「集団安全保障戦略」を再検討すべきだとの提言が6月4日、国家安保戦略研究院から発表された。

報告書を執筆した同研究院地域戦略研究室のキム・テジュ室長は「トランプ米政権が発表した『2025年暫定国家防衛戦略指針』の中心は、在韓米軍の“戦略的柔軟性”の追求にある」と述べた。

この指針によれば、米国は本土防衛と対中抑止を最優先とし、北朝鮮・ロシア・イランなどその他の地域的脅威は、該当地域の同盟国に対応を委ねる方針を強めている。これは今年3月に米紙ワシントン・ポストが報じた内容と一致する。

キム室長は「米国は台湾有事を除いて地域紛争への関与を抑制しようとしており、特に北朝鮮の核問題の対応とその費用負担を韓国に転嫁しようとしている」と分析。その結果、米韓間の戦時作戦統制権(OPCON)移譲が前倒しで実現する可能性も高まっていると指摘した。

さらに、トランプ政権は台湾海峡危機に際しても、韓国が米国に対して直接・間接的に支援する役割を求めてくる可能性があると見られる。

こうした状況を踏まえ、キム室長は韓国が日本・中国・ロシアなど北東アジア諸国と多国間協力体制を構築し、米国依存型からの脱却を図るべきだと主張した。米韓同盟を維持しつつ、同盟の枠内で韓国が独自の戦略的影響力を行使できるようにすることが重要だという。

その一例として、安倍晋三元首相が提唱した「自由で開かれたインド太平洋」戦略を挙げ、「日本が米国との協力を強化しながらも、もはやアメリカの対アジア政策にただ従属する立場ではないことを示した好例だ」と評価した。

キム室長は「今後、我が国は米韓日協力の維持と並行して、米国の変化する外交政策に柔軟に対応し、より多層的かつ独自の戦略構造を構築すべきだ」と述べた。その上で「北東アジア諸国との緻密な集団安全保障体制の構築が不可欠である」と強調した。

(c)news1

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