2025 年 7月 7日 (月)
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韓国・李在明政権の公約「エネルギー高速道路」…地域と再生エネルギー結ぶ国家成長の「血管構想」

韓国エネルギー工科大学(KENTECH)エネルギー政策研究所が発表した「エネルギー高速道路」概念図=KENTECH提供(c)news1

韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領が公約に掲げ、政権の核心政策に浮上している「エネルギー高速道路」構想が注目されている。単に電気を南部地域から首都圏に送る送電網整備にとどまらず、地域間、再生可能エネルギーと産業間を結ぶ「国家成長の血管」として位置づけられている。

韓国エネルギー工科大学(KENTECH)や与党系シンクタンクの民主研究院によると、イ・ジェミョン氏は大統領候補の時代から「エネルギー高速道路によって経済飛躍と地域均衡発展を実現する」と掲げ、再生エネルギーの拡充と電力網の高度化を並行して推進する政策を強調してきた。

この構想は、2030年までに西海岸の洋上風力発電20ギガワット(GW)を主要産業地帯に送電し、2040年には朝鮮半島をU字型で囲む「エネルギー高速道路」の完成を目指す。1GWは、韓国の原子力発電所「ハンビッ1号機」が1時間で発電する電力量に相当する。

現在、韓国では西南部地域に再生エネルギーが過剰に存在する一方、中部の産業地帯に送る手段が乏しく「エネルギー渋滞」が深刻化している。企業は再生可能エネルギー100%使用を目指す国際的取り組み「RE100」への対応を求められているが、送電網の制約で十分に活用できていない。

このような不均衡を是正するための解決策が、エネルギー高速道路だ。単なる送電線ではなく、全国エネルギーシステムの「脳」と「心臓」として機能する複合ネットワークだという。

その構成には、電力の安定供給を担う系統安定化設備、長距離・高性能の送電線、電力需要の変動に対応するエネルギー貯蔵装置(ESS)、黄海を横断する最先端の海上高圧直流送電(HVDC)網、地域単位でエネルギーを生産・管理する分散型エネルギーインフラなどが含まれる。

KENTECHエネルギー政策研究所のキム・スンワン教授は「エネルギー高速道路は単なる送電網ではなく、産業・技術・地域を包括する新たなエネルギーパラダイムのインフラだ」と述べた。

(c)news1

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