韓国の昨年第1四半期(1~3月)の家計動向調査によると、同国の所得下位30%以下の低所得層(約631万2365世帯)のうち、赤字世帯(可処分所得=所得から非消費支出を引いた値=よりも消費支出が大きい世帯)は約301万6700世帯。ところが最近の暖房費の値上げ率(42.3%)を考慮に入れて計算し直せば、その数は約319万9400世帯となり、18万2699世帯も増える――こんな数字が弾き出された。
韓国では昨年、ガス料金が住宅用で4回(4・5・7・10月)にわたって5.47ウォン上昇している。1年間で42.3%も引き上げられた。
政府は今年第1四半期のガス料金凍結に続き、相次いで暖房費支援対策を発表した。基礎生活(韓国の生活扶助策の一つ)受給者らにエネルギーバウチャー、ガス料金割引などで59万2000ウォンを支援すると明らかにした。
昨年の基礎生活受給者は169万9000世帯、次の上位階層は31万9000世帯。計201万8000世帯のうち都市ガス利用世帯が全体の83.6%に達するため、約169万世帯が暖房費割引の恩恵を受けると推算される。
しかし、赤字世帯が319万世帯に達するため、この程度の支援対象拡大では足りない。赤字世帯が暖房費支援対象世帯の2倍に達し、低所得層の赤字世帯のうち半分程度は政府の暖房費支援を受けられない計算になる。
暖房費のほか公共交通料金をはじめ地方公共料金も相次いで引き上げられ、赤字世帯がさらに増える可能性がある。
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