
韓国で新築マンション入居前の欠陥点検を代行するサービスの利用が急増する中、点検スタッフの半数近くが専門資格を持たないなど、業界の問題が浮き彫りになった。
住宅産業研究院が韓国国土交通省の依頼で実施した「新築マンション入居者の事前訪問点検代行に関する実態調査と制度改善案」の報告書で明らかになった。
韓国では2021年2月から、新築マンション入居前に住宅の不具合を確認する「入居者事前訪問制度」が導入されている。肉眼では確認しにくい欠陥を専門機器で調べる代行業者の利用が、入居予定者の間で急速に広がっている。
調査によると、代行業者の認知率は2022年の67.4%から2025年8月には81.4%へ上昇。利用率も同期間に46.8%から70.8%へと増加した。
しかし点検の過不足を巡る不満も指摘されている。2025年8月時点の満足度は「満足」50.0%、「普通」44.1%、「不満」5.9%だった。
営業中の40社のうち16社を調査した結果、点検スタッフ1099人のうち専門資格を持つ割合は52%にとどまった。分野別では建築・土木が70%と比較的高い一方、設備関連は5%、その他分野は8%と低水準だった。
専門性不足により不適切な点検や過剰診断となる例も確認された。熱画像カメラや騒音測定器などを正しい基準を理解せず使用し、不要な費用を入居者に負担させるケースや、点検作業で住宅の仕上げ材を損傷させる事例もあった。
また報告書は、代行業者による欠陥件数の水増しが不要な紛争を招いていると指摘する。事前点検時に設置されていない設備を欠陥として指摘することで、欠陥件数が20〜30%ほど増える場合があるという。
韓国土地住宅公社(LH)の事例では、代行業者が指摘した欠陥は114〜144件で、入居者自身の点検(52〜86件)の最大2.7倍だった。一方、実際に欠陥として認められた割合は代行点検が71%で、入居者点検より25ポイント低かった。
報告書は、代行市場の拡大に伴い制度的な管理強化が必要だと指摘。点検担当者を国家資格保持者または住宅建設分野で3年以上の実務経験者に限定することや、専門教育の義務化、業者の認証制度・登録制度の導入などを提言した。
さらに現場立ち入りを巡るトラブルを減らすため、住宅法施行規則の改正や業者選定ガイドライン、標準契約書の整備も必要だとしている。
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