
韓国では新学期が始まるこの春、学校現場で複数の教育制度改革が同時にスタートした。改正された初等・中等教育法の施行により、授業中のスマートフォンなどの使用は原則として禁止。教育目的や緊急時などで校長や教員が許可した場合のみ例外的に認められる仕組みだ。これまでスマホの扱いは各学校の校則に委ねられていたが、今回の法改正で明確な法的根拠が定められた。背景にはサイバーいじめや違法撮影、授業妨害といった問題の深刻化がある。
しかし、各学校の運用に差が生じる場合、保護者からの苦情が増える可能性も指摘されている。スマホの所持可否や取り扱いをめぐり、民主的な手続きを経て校則を定めるべきだとの意見も出ている。
同時に、学力不振や家庭問題など複合的な課題を抱える児童生徒を支援する「学生オーダーメード統合支援」制度も本格的に稼働する。この制度では校内に協議体を設け、教育庁や地域の福祉機関と連携して対応する仕組みを整える。予算は約261億ウォンを投じ、行政窓口を一本化して支援の効率化を図る狙いだ。ただし現場からは教員の事務負担増への懸念が根強く、人員の拡充や専門スタッフ確保が課題となっている。
高校では単位制の履修基準が一部緩和された。これまで選択科目の単位取得には学業達成度が40%以上であることが必要だったが、この基準を撤廃し、出席率が3分の2以上で単位を認めることになった。未履修者向けにはオンライン補習の基盤も整備される。ただし共通科目については達成度基準が引き続き残るため、さらなる見直しを求める声もある。
幼児教育支援も拡大する。政府は昨年7月に開始した5歳児対象の無償教育を、今学期から4歳児まで広げる。公立幼稚園の放課後課程費用月額2万ウォン、私立幼稚園の教育費月額11万ウォン、保育園の追加経費月額7万ウォンを支援し、既存の納付額からこれら支援額を自動的に控除する仕組みだ。
さらに小学3年生の希望者には年間50万ウォンの放課後プログラム利用券を支給する。教育当局はプログラムへの参加率を昨年の42.4%から60%へ引き上げる方針で、成果次第では上級学年への支援拡大も検討している。
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