2024 年 12月 22日 (日)
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韓国・新型コロナ融資の不良債権化という“9月危機説”…金融当局の「大丈夫」は信頼できるか

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韓国金融当局が、新型コロナウイルス禍に苦しむ企業を救ってきた融資が不良債権化するという「9月危機説」の鎮火に乗り出した。貸出満期延長、償還猶予措置延長が9月に終了しても、一度に不良債権が爆発することはないとし、不安心理の沈静化に躍起となっている。

だが、個人事業者の延滞率など、関連指標が上昇傾向を見せているうえ、償還が9月から始まるだけに、市場では依然として憂慮されている。

◇貸出満期延長

貸出満期延長・償還猶予措置は、新型コロナウイルスの感染拡大で被害を受け、資金の流動性が一時的に悪化した経営者や中小企業に対し、貸出満期を延長し、元金・利子の償還を猶予する制度だ。2020年4月に施行され、6カ月単位で延長された。

金融委員会によると、今年6月末で満期延長・償還猶予支援を受けたのは計35万1000人で、貸出規模は76兆2000億ウォン(1ウォン=約0.1円)だ。

このうち34万人は、貸出満期日が到来した後も貸出期間の延長を望む「満期延長」対象だ。34万人の貸出残高は、全体の93%である73兆ウォンで、金融委によると、今のところ利子は正常に返還されているという。

昨年9月に発表された「満期延長・償還猶予措置軟着陸支援方案」により、貸出満期を最大2025年9月まで延長することができるようになり、現時点では一斉に満期となる心配はないというわけだ。

◇自営業者らの余力「不確実」

問題は、残りの7%(5兆2000億ウォン)を占めている償還猶予だ。9月に終了する償還猶予は「元金償還猶予」と「利子償還猶予」の2種類に分かれる。

元金償還猶予とは、債務償還が難しい理由が立証された場合に、元利金分割償還貸出の元金納付を猶予し、利子だけを納付することだ。元金償還猶予を受けた人は6月末で約1万人おり、貸出残額は計4兆1000億ウォンだ。

金融委員会側は「償還猶予を受けている人は、2028年9月まで最大60カ月間猶予された元金や利子を分割償還することができる。元金償還猶予を受けている人の99.0%が償還計画を立てた」と、軟着陸に自信を見せている。

しかし、一部では景気回復速度が予想より遅れる中で、元金償還猶予を受けて利子だけを返済していた人が、9月からの元金償還に耐える余力があるか不確実だという指摘も出ている。

さらに大きな問題は、元金どころか利子さえも返済できないとして利子償還猶予を受けている人たちだ。800人余りおり、貸出残額は6月末で1兆1000億ウォンに達する。

金融委員会さえも「不良債権化が避けられない場合、債務調整などを通じて金融会社の軟着陸を支援する方針だ」と、警戒を強めている。

自営業者など個人事業者の延滞率や、債務償還を放棄する人数が、上昇傾向という点も償還猶予終了の不安感を大きくしている。

金融監督院によると、昨年2月末で0.20%だった個人事業者貸出延滞率は、今年2月には0.19ポイント上昇して0.39%を記録。5月には0.45%まで上昇した。

ノンバンクも同様だ。今年上半期の貯蓄銀行営業実績暫定値を見ると、79の貯蓄銀行の個人事業者延滞率は、昨年末の3.31%から6.35%へと3.04ポイント急増した。

実際、返済をあきらめて自己破産を選択する人の数も大幅に増えている。裁判所統計月報によると、今年1月から7月までに全国の裁判所で受け付けた自己破産は7万575件で、対前年比42.9%(2万1204件)増えた。

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