韓国で放送局と外注制作会社ともに、制作費の中で出演料を引き下げるべきだと認識している。2月19日に公開された文化体育観光省と韓国コンテンツ振興院が放送外注制作取引慣行全般を点検した「2023年放送プログラム外注制作取引実態報告書」によると、ドラマ部門放送会社と制作会社は俳優の出演料が高すぎるという点で意見が一致している。
制作経費から下方調整が必要な項目を優先順位で2項目選択するようアンケート調査をした結果、放送会社と制作会社ともに「出演料」を第1順位に挙げた。
アンケートに応じたある放送会社の関係者は「過去に中国市場が存在した時、広告や販売などの損益の計算が可能だったが、今はどの程度補充できるか保証もできない。単価は上がる一方で、放送局としては大きな挑戦ができない。ますますドラマを小規模にするなど、欲ばらないようにしている」と明かす。
また別の総合編成放送局の関係者は「出演料は10年前からあまりにも高く設定されている。制作費の半分以上だ。OTTが登場する前は、それでも地上波放送局同士でそれなりの限度を決めることができた。だが、今はそれが不可能になった。誰が出演するかによって視聴者の選択が変わるため、徹底的に市場原理に従うしかない」と吐露する。
放送局も広告協賛も結局、出演者が誰なのかによって放送するかどうか決める――という事情がある。
この報告書で文化体育観光省と韓国コンテンツ振興院は、放送プログラム外注制作の取引経験のある放送映像独立制作会社177社、制作会社97社、放送事業者8社を対象に、外注制作慣行に対するアンケート調査と深層インタビューを実施した。
目的は、ドラマ、芸能、教養などジャンルや地上波、総合編成PP(プログラムプロバイダー)など放送局の類型による実態を把握するためで、相互取引する制作会社と放送局を詳細に分析した。
放送番組の外注制作契約のうち、標準契約書については制作会社の平均88.7%が活用している。制作会社の場合、放送プログラム外注取引慣行の改善について、5点満点で平均3.56点で大部分が必要だと認識した。一方、放送局はやや低い回答(平均1.93点)で、認識の差を見せた。
制作費の規模でも放送局と制作会社間の認識の差が大きかった。放送局は適正金額以上に支給している(平均3.33点)▽制作会社は少ない(平均2.05点)――とそれぞれ認識していた。制作費のうち単価の引き上げが必要な項目について、制作会社は人件費(74.2%)▽進行費(36.1%)▽企画料(35.1%)を挙げた。
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