
韓国政府は、携帯電話を新たに契約する際に本人確認手続きとして顔認証システムを導入する方針を固めた。急増する身分証の偽造や名義盗用による不正契約(携帯電話のなりすまし)を防ぐのが狙いで、年内にも一部店舗で運用が始まる。
通信業界によると、対象となるのは新規加入、番号ポータビリティ(MNP)、名義変更などの全ての契約手続き。これまでは身分証の提示とスキャンによる本人確認だけで済んでいたが、今後は本人の顔と身分証の照合が義務化される方向だ。
具体的には、まず一部の対面契約窓口や、格安スマホ(MVNO)事業者の非対面契約チャネル(オンライン・アプリでの自己開通)に優先導入される。これは、不正開通された「使い捨て携帯」の大半が、本人確認が甘い非対面で契約されていたことを踏まえた措置だ。
認証手段には、韓国通信3社(SKテレコム、KT、LG U+)が共同運営する本人確認アプリ「PASS」の顔認証機能が活用される。
この機能により、提出された身分証の真贋判定に加え、実際に端末を契約する人物が身分証の人物と一致するかをAIが照合する。これにより「なりすまし開通」を根本から防ぐ構えだ。
この制度は、2025年12月23日から導入され、2026年3月までの安定化期間を経て、すべての携帯契約チャネルに拡大される見込み。
政府は今年3月、不正契約携帯対策の一環として、携帯電話契約時の顔認証導入を含む“民生犯罪対応強化案”を発表。その後、科学技術情報通信省は、通信3社とMVNO各社に対し協力を要請する公文書を送付していた。
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