2025 年 12月 7日 (日)
ホーム社会韓国・担任を途中放棄する教員、過去5年で最多…背景に教権侵害と悪質クレーム

韓国・担任を途中放棄する教員、過去5年で最多…背景に教権侵害と悪質クレーム

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韓国で2024年、国公立小中高校で担任教員が自ら担任職を放棄するケースが、保護者からの要求による交代件数の2倍に達し、過去5年間で最高水準となった。教権侵害や悪質な民願により教員の士気が低下しており、教育現場の危機を示すものだと指摘されている。

国会教育委員会所属でチョン・ソングク議員(国民の力)が教育省から受け取った「全国国公立小中高校担任教員交代現況」によれば、2024年の担任教員の途中交代は185件だった。前年(203件)より18件減少したものの、2020年(71件)に比べれば依然高水準にある。

この調査では、休職・休暇や人事上の配置換えなど通常の理由は除外され、担任本人が交代を求める場合や、保護者の要求によって担任職を辞するなどの極端なケースのみを対象とした。

2024年に担任教員本人が交代を求めた事例は123件で全体の66.5%を占め、過去5年で最も高い割合となった。前年は124件(61.1%)。対して保護者の要求による交代は62件(33.5%)にとどまり、前年の72件(35.4%)から減少している。

2025年上半期の途中交代件数は81件で、そのうち担任教員自身の要請が52件、保護者の要求は29件だった。学校段階別では小学校が最も多く、2024年に104件で全体の56.2%を占めた。次いで中学校50件(27.0%)、高校31件(16.8%)の順だ。2025年上半期も同様に、小学校41件、中学校19件、高校21件と小学校での比率が高い。

教育界では、相次ぐ教権侵害や保護者の悪質クレームが教員の担任放棄を招いていると分析している。対応策が十分でないため、教員や学校が刑事告訴に踏み切る例もある。実際、全羅北道教育庁は小学校で継続的に教育活動を妨害した保護者を、公務執行妨害や虚偽告訴、名誉毀損の疑いで警察に告発した。

チョン議員は「担任を自ら放棄する教員は、保護者要求による交代件数の倍近くに上り、教権侵害と悪質民願の中で教員がもはや持ちこたえられないという明白な警告だ。教権回復こそ教育回復であり、教育省は教員が安心して子どもを指導できるよう根本的な対策を早急に整えるべきだ」と訴えた。

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