
ソウルを拠点とする広告代行会社「W」が2025年8月に突然姿を消し、被害が拡大している。確認された被害者は250人以上にのぼり、大半が小規模事業者だ。
英語教室を営むある男性経営者は昨年12月、「大手3社の一角」と紹介されたW社と200万ウォンで契約した。しかし広告内容は事実と異なり、1人で運営する教室を「多数の優秀な講師が在籍」と虚偽表示したほか、対象も学生ではなく「成人会話」と誤った内容で掲載された。経営者は抗議したが、返金は20万ウォンのみとされ、その後も契約を続けざるを得なかった。だが8月、同社は事務所の備品を撤去して雲隠れした。
資格関連学院を運営する別の経営者も同社と契約し、1年で2400万ウォンの売り上げ増を保証されたが、実際は売り上げが停滞し広告も不具合が多発。最終的に連絡が途絶えた。
調査によるとW社は2025年1月から家賃を滞納しつつも新規契約を続け、8月に突然業務を停止。本社を訪れた被害者は「すでにすべて撤去されていた」と証言している。社員も給与を受け取っていないという。
被害者の集団チャットには現在300人以上が参加しており、被害届はすでに250件を超える。代理人を務めるキム・ヨンミン弁護士は「7月まで契約を続けながら8月に姿を消したのは明らかに欺罔行為にあたる。証拠隠滅の疑いもある」と指摘した。
キム弁護士はさらに「被害額は1件あたり200万ウォン前後と少額だが、数百人から千人規模の小規模事業者が対象で極めて悪質」と述べた。経済的に厳しい状況での損失は大きく、多くの被害者が精神的ストレスに苦しんでいる。
被害者の多くは返金の見込みが薄く、刑事告訴を断念する例も出ている。事件は小規模事業者を狙った典型的な「虚偽広告詐欺」として波紋を広げている。
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