韓国の小学校高学年で読解リテラシーの低下が深刻化している。韓国教育課程評価院が発表した報告書によると、小学6年生の約3人に1人が「ほとんど本を読まない」と回答している。読書時間が読解リテラシーにも大きく影響しており、特にスマートフォン使用時間が無制限の子どもほど読書時間が短いことが明らかになった。
調査では、1日に本を読む時間が「30分程度」と答えた児童が36.3%で最多だったが、「ほとんど読まない」という回答が28.2%と続き、約3割の児童が日常的に本を読まないことがわかった。一方で「1時間程度」が17.9%、「1~2時間程度」が12.8%、「2時間以上」が4.6%という結果だった。
学年が上がるにつれ読書時間は減少し、小学6年生では33.5%が「ほとんど読まない」と答え、これは4年生(23.9%)、5年生(27.1%)と比べて顕著だった。
読書時間には地域差も見られ、大都市の児童は1~2時間以上本を読む割合が高い一方で、農村部では「ほとんど読まない」という回答が31.6%と最も高かった。
読書経験が文解力に影響を与えることも示された。1日の読書時間が長いほど読解リテラシーのスコアが高くなり、4年生では1.49点、5年生では0.55点、6年生では0.59点ずつ向上した。
また、読解リテラシーが高い子どもは家庭でスマートフォン使用時間が制限されている傾向が強かったのに対し、低い子どもはスマートフォン使用に関する制約がほとんどなかった。
地域間でも差が見られ、大都市の児童の平均スコアが最も高かった。一方、農村部では読解リテラシーの低い児童の割合が多く、成績上位5%と下位5%の格差が最大であった。
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