
韓国・釜山のある芸術高校に通う2年生の女子生徒3人が死亡した事件をめぐり、同校を運営する学校法人の経営権をめぐる内紛が、生徒たちの死に影響を与えた可能性があるという見方が出ている。
釜山広域市教育庁と教育関係者によると、同法人は1999年から経営権争いなどにより臨時理事体制で運営されていた。法人側と学校側の対立が続き、最近では法人が校長の人事に介入するなどし、保護者との摩擦や多くの苦情が寄せられていたという。
さらに最近、専攻講師14人のうち11人が一度に交代したことが発覚。芸術系授業では講師の技量や指導スタイルが生徒の作品や進学に直結するため、講師の変更は極めて慎重であるべきだとされる。その突然の交代により、生徒らが大きな精神的ストレスを受けていた可能性が指摘されている。
一方、法人の臨時理事7人のうち4人が5月末に辞任していたことが確認され、教育庁は新たな理事候補の推薦を進めている。6月23日には、私学紛争調整委員会が臨時理事の交代案について審議し、承認されれば新理事長が選出され、同法人傘下の学校運営に関与する見通しだ。
釜山市教育庁は、理事会の刷新を機に学校運営全体の構造的改善に着手する構えで、現場への特別監査団を派遣し調査に乗り出す。教育庁関係者は「生徒たちの死の動機について断定はできないが、過去3年間に提起された苦情や学校運営全般に関する監査を実施する」と述べた。
警察は、現場で見つかった遺書などから、生徒たちが受験や学業に対するストレスを抱えていたと見て、事故の経緯を詳しく調査中だ。遺族や関係者への事情聴取に加え、生徒たちの携帯電話に対するデジタルフォレンジック(電子証拠分析)も進めている。
事件は6月21日午後1時39分ごろ、釜山市海雲台区のあるマンションの植え込みで3人の女子高生が転落し、死亡しているのが見つかったことで発覚した。
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